「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」 他のユニバースと異なる個性を出せていけるか?
予告編を観ていた時に「ダーク・ユニバース始動!」とかいうコピーが出てきて、「?」と思っていました。
マーベルが「マーベル・シネマティック・ユニバース」という考え方を導入し、連作ヒットを飛ばしていることから、最近は他社もそれに追随するコンセプトのシリーズを展開し始めています。
DCの「DC/エクステンディドユニバース」しかり、レジェンダリーの「モンスターバース」しかり。
ハリウッドでシリーズ物ばかりが作られるようになって久しいですが、ユニバースコンセプトはただのシリーズ物よりも拡張性が高いところが利点です。
続編だとやはりストーリーの整合性を保つのが難しく、またどうしても次回作が作られるまでの時間がかかります。
ユニバースコンセプトは、作品ごとの整合性は続編よりは緩いですし、複数の作品を並行して制作することが可能なので単なる続編よりも早いタームでリリースできます。
集客が手堅いシリーズ物をハイペースで送り出せるわけですから、映画会社的には放っておけないですよね。
しかし、マーベルとかDCとかもともとコミックで展開しているものではなく、「ダーク・ユニバース」という聞きなれない言葉だったので「?」となったわけです。
しかし、最初のユニバーサル映画のタイトル後の「ダーク・ユニバース」というタイトルを見て、合点がいきました。
なるほど、昔の「ユニバーサル・ホラー」をクロスオーバーさせようというわけかと。
「ユニバーサル・ホラー」というのは「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン」「透明人間」「大アマゾンの半魚人」などのモンスター映画です。
それぞれ何度もリメイクされているので、観たことある人も多いですよね。
それらの作品は独立したものですが、今回の「ダーク・ユニバース」ではそれぞれをリンクさせていこうということでしょう。
マーベルやDCよりはちょっとカルトっぽい趣味ですけれども。
二番煎じ、三番煎じなので、これからユニバーサルらしさを出していけるかどうかがポイントですね。
他のユニバースに比べては、もともとホラーをベースにしているので、全体的にダークなテイストになっていますから、この辺りを個性としていきたいのでしょう。
本作の元は「ミイラ再生」ですが、これは「ハムナプトラ」として既にリメイクされていますが、全然テイストは異なります。
「ハムナプトラ」はどちらかというと陽性でしたが、本作はダーク。
トム・クルーズが出ていることにより、メジャー感は醸し出されますが、彼がいなかったら結構マイナーな作品になりそうな感じがしますね。
ミイラっていうところからシリーズを始めるのも、割と渋い。
ただこれもいろいろ考えたんでしょうね。
ドラキュラとか狼男とか、フランケンシュタインだと今まで何回も映画化されていて、それらがメジャーなので、今までと同じと見られたくなかったのかなと。
あえて渋い題材から入って、ただマイナーにはしたくなかったので主演は超メジャー級を当ててくる。
割と戦略的なのではないかと思いました。
映画としては可もなく不可もなくというところです。
よかったのはラッセル・クロウが演じていたジキル博士。
これは「ジキル博士とハイド氏」が元ネタですね。
このキャラクターは面白そうです。
彼がメインでの映画もいけそうですよ。
割とそういう渋いところで攻めていってほしいなと思いました。
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コメント
こんにちは。
私は清水の舞台から飛び降りるような気持ちでこの作品を観たんですけど。笑
良い具合に万人受けするような作品に仕上がってると思いました。
トム・クルーズがあんまりオレ様オレ様してなかったのが良かったのかな。
ラッセル・クロウのジキルとハイドはこれからちょくちょく出てくるようなので、それが私としては楽しみです。
トム・クルーズの怪我が大したことないといいのですが。
投稿: ケフコタカハシ | 2017年8月15日 (火) 20時58分