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2017年4月28日 (金)

「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」 史上最低

昨年春の東映特撮の劇場版は「仮面ライダー1号」ということで、例年と異なりオールスター登場企画ということではなく、仮面ライダー1号=本郷猛に焦点を当てて描いた作品となっていました。
そのためか全体的には大人っぽくもあり、渋めではあったので、もしかすると子供たち受けという点では弱かったのかもしれません。
そういうこともあってか、今年の春の劇場版は久しぶりに仮面ライダーとスーパー戦隊のコラボ規格であるスーパーヒーロー大戦が復活していました。
派手にスーパーヒーローがたくさん登場するほうが子供たちに受けやすいという判断でしょうか。
いままでも○○大戦シリーズは、テンションが上がるお祭りムービーに仕上がっている作品もたくさんありました。
しかし、今回の作品は正直言っていただけない。
個人的には今までの平成仮面ライダーの劇場版の中では最低レベルの仕上がりではないかと思いました。
今までは異なる世界観を持つ仮面ライダーや、さらに異なるスーパー戦隊がひとつの物語の中にいるということに対し、納得ができる説明があったのですが、この作品ではもはやそのような丁寧さは感じません。
とりあえずたくさんヒーローを出しておけばいいのではないかというような安易さを感じてしまいます。
「アベンジャーズ」を初め、多くのヒーローが一つの映画に登場する作品はたくさんありますが、それぞれのキャラクターへのドラマがあるからこそ、納得性を感じさせることができるのだと思います。
それぞれのライダーなり、スーパー戦隊が薄っぺらく描かれると、彼らに対して愛情が感じられず、ただ消費しているだけのような感じを受けます。
そのせいか、登場するライダーにしても、なんでこのキャラクターが登場するのかという必然性はあまり感じられず、だからこそ出ているライダーも微妙なラインナップだったりします。
チームエグゼイドとかいって、あのメンバーはなんでああいうラインナップなのとか思いますもん。
色が合ってて、とスケジュールがあった人を出しているだけかーみたいな。
またたくさんライダーや戦隊を出すために対戦ゲーム的な要素を設定的に盛り込み、ストーリーとしてはエイトを中心にしたドラマが主軸になっているものの、他の要素が多すぎて、全体的にドラマとしてわかりにくい。
ごちゃごちゃしている印象がとても強かったです。
最後の決戦もドローンを使ったり、ゴープロ的な映像にしてみたりとチャレンジは感じますが、造成地での大勢でのド突き合いにしか見えず、「ウルトラファイト」かという感じを受けました。
こういうレベルにしかならないのであれば、無理に春の映画は作らなくてもいいし、と思ってしまいます。
東映さん、がんばって!

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