「無限の住人」 派手ではあるが大味
久しぶりに試写会にて映画を鑑賞。
5月に公開予定の三池崇史監督の「無限の住人」です。
最近、テレビ番組の中でも宣伝してますよねえ。
三池作品ははちゃめちゃな感じがあって好きなのですけれど、最近の作品(「極道大戦争」「テラフォーマーズ」とか)は脱線感がありすぎて、観ている方が置いてきぼりになってしまった印象がありました。
「無限の住民」は不死となった剣士、万次がバッタバッタと敵を切り殺していくチャンバラが見どころの時代劇です。
激しいチャンバラが見どころの三池監督の時代劇と言えば、「十三人の刺客」がありました。
この作品は結構好きで、最後の決戦の長いチャンバラシーンにはカタルシスを覚えました。
「無限の住人」もラストで圧倒的な数の差の敵味方による大剣劇があります。
これはこれで見応えはあるとは思うのですが、観ていて疲れる・・・。
なんでなんだろうと観終わったあと考えたのですが、この作品のチャンバラは迫力はあるのですけれど、大味なのです。
万次は不死なわけなので、切られても死なない。
なので、命をかけた緊迫感が今ひとつ感じにくい。
命をかけた勝負においては、相手の動き方、自分の動き方、ちょっとしたことで命がやりとりされてしまうことがあるでしょう。
だからこそ剣と剣との間にはピリピリとした緊迫感がある。
昔のチャンバラは激しく剣を交わらせるところと、静かに相対するところとがあったように思います。
緩急とでも言いますか、これが緊張感を演出していたように思います。
けれども本作のチャンバラは敵も味方を刀をブンブン振り回しているだけのように見え、派手ではあるのですけれど、緊迫感は感じにくかったです。
本作についてはチャンバラシーンが非常に多い。
それを売りにしているとは思いますし、三池監督なのでサービス精神が満載なのでしょう。
けれども先ほど書いたような大味さがあるので、最後の方にはお腹いっぱいな気分になってきました。
作品全体でも2時間半弱であったと思うので、長尺な上に大味という・・・。
おそらく最初に編集した時は3時間くらいになっていたのではないでしょうか。
ドラマ部分で、ジャンプしているような箇所が散見されたので、かなりカットされているように見受けられました。
そのためにチャンバラパートがさらに比重が高く感じられたような気がします。
サービス精神旺盛で三池監督らしいなと思いつつも、やや大味感に食傷してしまったという印象です。
| 固定リンク
コメント