「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」 虚しい拡大再生産
前の「インデペンデンス・デイ」が公開されてから、もう20年経っているんですね。
久しぶりの続編「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」も監督は前作と同じくローランド・エメリッヒです。
まあ、この方の作風は相変わらずで、作品は相変わらず大味です。
前作ではホワイトハウスを上空を覆う巨大UFOが光線で攻撃するというビジュアルが印象的でした。
あの時代はああいう映像はあまりなかったので、とても印象的でした。
地球を何度も破滅させている男エメリッヒは今回も派手に異星人の攻撃を描いてはいるのですが、観客サイドもそういう映像を見慣れてしまっているところもあり、前回ほどの強い印象は持てませんでした。
今となってはよくあるビジュアルといった感じです。
UFOも地球を覆うほどに巨大になり、破壊度も規模が大きくなっているのですが、インフレを起こしているだけであって、目新しさは感じないのが残念なところです。
あとは異星人の設定も、数々のエイリアンものを焼き直ししているようで新鮮味がありません。
ハリウッドは、異星人をアリやハチのような社会性のある昆虫をモチーフとした設定で描くことが多いですよね。
「エイリアン2」の時はとても新鮮でしたが、もうこの手の設定は食傷気味です。
映画的にはボスキャラを倒せば全て解決するという使い勝手の良さがあるとは思うのですが、いい加減に使い古されてしまった設定であるような気がします。
そろそろ新しいアイデアが出ないものですかね・・・。
エメリッヒなので、キャラクターが類型的で薄っぺらいのは相変わらず。
それでも前作の「インデペンデンス・デイ」では大統領の演説から、それぞれの人々が自分を犠牲にしても地球を守りたいという気持ちがあって、それにより異星人を撃退するという終盤に、カタルシスを感じたものです。
続編である本作はそのようなカタルシスも感じないのですよね。
前作と同じ構造でただ規模を大きくしているだけの、虚しい拡大再生産のような感じがします。
こういう展開になると予想していたので、がっかり感も少なかったんですけれど、それでも残念な出来でした。
| 固定リンク | コメント (6) | トラックバック (21)
最近のコメント