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2015年12月26日 (土)

「杉原千畝 スギハラチウネ」 人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そして報いを求めぬよう

時間があったので、観に行った作品でしたが、主人公杉原千畝の行動に心打たれ、思わず涙してしまいました。
「あなたは杉原千畝を知っていますか?」というコピーが本作の宣伝文句でしたが、その問いかけに「はい」と答えられる人は多くはないのではないでしょうか。
かくいう自分もその一人です。
「日本のシンドラー」と言われる外交官がいたという話はちょっとどこかで聞いたような気もしますが、どのような人であったのかは本作を観るまで、全く知りませんでした。
杉浦千畝は太平洋戦争の戦前から戦中にかけての日本の外交官でした。
いくつも外国語に長け、特にロシア(ソ連)、そしてドイツの動向に早くから注目していたようです。
日本は海外への進出への意欲を持ち、その頃ヨーロッパで勢力を広げるヒトラーが率いるドイツとの三国同盟を締結するに至ります。
しかし拡大するドイツはユダヤ人を迫害を強めていき、また不可侵条約を結んでいたソ連へも進出しようとします。
その危うさに杉原はいち早く気がつき、本国へ情報を送り続けますが、それが顧みられることはありません。
赴任地であるリトアニアにもユダヤ人難民が流れ込み各国領事館にヴィザの発給を求めますが、ソ連による併合直前であったため、どの国も領事館も思うようにはそれを行うことができませんでした。
そのような中、本国の確認もままならない中、杉原はユダヤ人へのヴィザの発給を続けました。
自分の外交官としての生命を絶たれるかもしれないリスクがありながらもです。
本作を観て、心を打たれたことは、杉原のみをヒーローとして描いていなかったことです。
世界情勢が大きく変わり、本国の方針とも相容れないという状況の中、彼は自分ができる最大限の良きことを実践しようとしました。
それで世界は変えられると信じて。
彼の部下であるドイツ系のグッジェは杉原がユダヤ人へヴィザを発給し続けることに対し、当初は思うところはあったかもしれませんが、その行動をサポートする中で、人のために何かをしてあげることの大切さを知ります。
杉原との別れの場面で、自分が良き人と思われることを嬉しさを知ったと彼は言います。
同じように、杉原が救った人々がたどり着いたウラジオストクでも、領事やJCBの社員が彼らを救うためにできうる限りのことをします。
ドイツに占領されてしまったオランダのリトアニア領事も。
杉原と同じような思いの人々が、それぞれにできることをしている。
人種とか民族とか関係なく。
戦争という状況の中でも、良き人たちがいてできることをしていたということに感動してしまいました。
ヨーロッパ、そしてユーラシア大陸を横断したユダヤ人難民。
この物語は70年前の出来事を描いていますが、彼らの姿は現代の世界情勢にも通じるものを感じます。
内戦やISとの戦いで荒れるシリアから脱出してきた難民たち。
街中でのテロリズム。
未来に、先行きに不安を感じる情勢です。
けれど70年前と同様に、良き人たちはいるはず
映画の中でも紹介されていた杉原の母校ハルビン学園の自治三訣(人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そして報いを求めぬよう)の言葉は心に残る言葉でした。
そして自分もそうありたいと思わされた作品でした。

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