「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」 まさに時は愛おしい
昨年公開された作品で、恒例の年末のブロガーさんのランキングでも評価が高かったのを覚えています。
久しぶりに自宅での映画鑑賞でこちらの作品をセレクトしました。
観る前は、ポスター等の映画のキービジュアルではレイチェル・マクアダムス推しだったですし、タイムトラベルを題材にした作品ということで、彼女が出演したタイムトラベルもの「きみがぼくを見つけた日」とかぶっているのでは、とも思っていました。
でも個人的にレイチェル・マクアダムスは好きな女優さんだったので、気になっていた作品でした。
主演はレイチェル・マクアダムスではなく、ドーナル・グリーソン(彼女の夫役)という方。
知らない男優さんだなと思って、彼のフィルモグラフィを見てみたら「ハリー・ポッター」にも出ているんですね。
ロンのお兄さん役かな?
さて、肝心の作品のほうですが、とても良かったです。
他のブロガーさんたちの評価が高かったのも納得しました。
タイムトラベルものと言っても、いろいろなタイプがありますが、本作は意識だけが過去の自分に飛んでしまう点では「時をかける少女」に近いでしょうか。
歴史を改変するほどの力ではないということも。
時間というものは、誰にとっても分け隔てなく、過ぎ去っていくものです。
時間を止めたい、ゆっくり進めたいと思っても、そういうことはできる人はいません。
あのときああすれば良かった、今度同じことがあったらもっとうまくできるはず、とほとんどの人が思ったことがあるでしょう。
主人公ティムは過去に意識を遡らせる能力を持つ主人公です。
うまくいかなかったことをやり直すために、過去に飛ぶわけですが、なにもかもが自分が思う通りにコントロールすることができないこともやがてわかってきます。
何かをやり直すために過去に戻っても、別の何かに影響を与えてしまう。
例えば妹を事故から救うために過去に飛んだことによって、自分の娘の性別が変わってしまうとか。
偶然や確率によっておこることは当たり前ですが、コントロールできなくなるわけですね。
時を戻る力があっても、かけがえのない時があるのです。
同じ能力を持つ父親が死ぬとき、ティムはタイムトラベラーとして生きるコツを教わります。
1日が終わったとき、もう一度同じように1日を過ごす。
そうすればその1日をかけがえのないものとして味わうことができると。
けどやがてティムは自分自身でより良い人生をおくるコツを見つけます。
それはタイムトラベルをしないこと。
過ぎ去っていく時間を1度きりとして、かけがえのないものとして大切に生きること。
たった1度しか味わえないからこそ、大切にできるのだということにティムは気づいたのでしょうね。
まさに邦題の副題にあるように「愛おしい時間について」の物語であったなと思いました。
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