「仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス」 2つの世界観が見事に融合
冬の定番となった「仮面ライダー」のMOVIE大戦を今年も見てきました。
昨年の「鎧武」と「ドライブ」がコラボしたMOVIE大戦は、個人的に出来は不満足でした。
どうしてもこの2作品が世界観があまりに異なっているため、なかなか融合するのが難しかったと思われます。
以前のMOVIE大戦は◯◯編、××編とあって、まとめ編で両方の話がクロスするという構成が多かったです。
この手法は別々の世界観を持つ2作品を融合させるには、やりやすい手法であったかと思います。
とはいえ、ディケイドや電王のような強力な接着剤の役割がいないと難しい手法でもあります。
今回のMOVIE大戦はゴースト編、ドライブ編といった明確な分け方ではなく、最初から両者のストーリーが融合した形になっています。
映画だから特別な設定と持ち込んでというわけではなく、違和感なく2つの仮面ライダーの世界観を融合させたのは上手だなと思います。
「ドライブ」の泊進ノ介と「ゴースト」の天空寺タケルが、先輩・後輩の関係性で描かれたのが、話を融合させることに効果的であったと思います。
進ノ介はかつて父親を悪に殺され、その仇を取ろうとし、正義を守るために戦いました。
その中で、彼自身も成長していったわけです。
タケルも過去に父親を目の前で失いました。
テレビシリーズではまだ深く描かれていなかったその死の真相が本作で明らかになります。
タケルは過去に戻り、父親を救いたいと考えます。
そして彼が父から引き継いだ想い、目の前の人を救いたいという想いを改めて新たにします。
そういうタケルの姿は、進ノ介にとってかつての自分を見ているような思いになったかもしれません。
設定上、異なるライダーの世界観を無理やり噛ませるのではなく、自然にキャラクターたちの思いで2つの世界観が融合するというのは、あまり今までMOVIE大戦ではなかったかなと思います。
脚本は誰かなと思ったら、「仮面ライダー」が初めての林誠人さん。
刑事ドラマを多く手がけている方のようなので、ギミック的な話よりもこういったキャラクターのドラマで組み立てる物語が上手なのかもしれません。
現在のタケルが過去のタケルに、誰かに何かをしてもらうのではなく、自らが動かなくてはいけないということを諭すくだりなどは結構好きでした。
子供へのメッセージをさりげなく織り込んでいるのは、品がいいというかセンスがいいなと感じました。
「ドライブ」については、テレビシリーズのエピソードをこちらも拾ってくれているのは嬉しいところです。
剛とチェイスの関係などはシリーズ最後で異様に盛り上がりましたので、その思いをちゃんと汲んでくれているのはファンとしたはやはり感じ入るところがあります。
ただイベント映画だから登場してきましたってところじゃないところがいいです。
あとやはり進ノ介と霧子の結婚をようやく見れたのは嬉しいですね。
主人公の結婚というのは「仮面ライダー」シリーズではあまりないので新しいし、何しろハッピーな感じがしたいいエンディングでした(この映画としても「ドライブ」としても)。
最後に片岡鶴太郎さんと竹中直人さんの掛け合いのシーンはすごかったですねえ。
個人的には二人がギャグをやっていたところのど真ん中世代なので、懐かしかったです。
竹中さんの「笑いながら怒るおじさん」とか、鶴太郎さんのモノマネとか。
今ではなかなか見れないシーンなので、得した気分になりました。
子供たちや若い子たちはわからないよね?
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コメント
メビウスさん、こんにちは!
MOVIE大戦としては珍しい構成、僕もしっくり観れたので、良かったかなと思いました。
確かに進ノ介とタケルは、父を失っているという点は共通しているので、二人は共感しやすかったのかもしれないですね。
単純にドラマとして分断されていないので、素直に見れます。
竹中さんと鶴太郎さんの掛け合いは、僕の見た映画館でも反応していたのはお父さん世代でした(笑)。
投稿: はらやん | 2015年12月31日 (木) 07時30分
こちらにもお邪魔します。
ドライブとゴースト・・進ノ介とタケルって、父親との関係性で言えばなんか凄く共通点が多かったですし、それに劇場版やテレビ本編の方でも少なからず接点があったので、そういった好条件も重なったおかげで本作の最初からクロスオーバーみたいな展開もあまり不協和音にならずにすんだのかもしれませんね?本来のMOVIE大戦としては異色でしたけど、個人的には嫌いじゃありませんでした。
そうそう、竹中直人さんと片岡鶴太郎さんの掛け合いは自分もかなりウケました^^
でも劇場内は笑いが少なかったんですよねぇ。やっぱり子供たちには少し難しかったのではないかとw
投稿: メビウス | 2015年12月30日 (水) 09時35分