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2015年10月10日 (土)

「アントマン」 ミクロ世界のスケール感

マーベル・シネマティック・ユニバースのPhase2のラストを飾るのは、新ヒーロー「アントマン」。
アントマンとは特殊なスーツの力で、まさにその名前の通りにアリのサイズに小さくなることができるヒーローのことです。
小さくなることにより体を構成する原子の密度も上がっているようで、アントマンは小さい体ながらもその体は頑丈でかつ、パワーもあります。
さらには特殊な音波(?)でアリを従わせて操ることができるという能力も持っています。
本作でデビューをした、この一風変わったヒーローであるアントマンは、「アベンジャーズ」の次回作にも登場するということなんですよね。
「アベンジャーズ」をはじめマーベル・シネマティック・ユニバースは、回を追うごとにストーリーもヒーローもどんどんスケールアップしていっています。
マーベル・シネマティック・ユニバースの作品群の一つ「マイティ・ソー」シリーズは神様の国での超能力を持った神様たちのお話ですし、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」ははるか彼方の宇宙を舞台し、多種多様なエイリアンが登場します。
舞台の設定にスケール感を感じますよね。
アベンジャーズたちが相手とする敵もますます強大になっていて、話も地球規模、いや宇宙規模になっています。
それに対して、アントマンは子供部屋や風呂場で戦う小さなヒーロー。
壮大なスケールになっているマーベル・シネマティック・ユニバースにおいて、こんな小さな世界で高うミクロなヒーローはマッチするのだろうか。
そういう疑問が観る前はありました。
しかし、それは杞憂でした。

この地上からどんどん視野をマクロに広げて見てみましょう。
地球、月軌道、太陽系、銀河系、その先にあるまた別の銀河系、またその先の星すらない空間・・・。
どこまでもどこまでも広がる宇宙は果てしなく、そこにはマクロ的な視点でのスケール感を感じます。
宇宙の果てには何があるのか、何もないのか?
その果ては時や空間という概念すらもないところかもしれません。
「マイティ・ソー」も「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」も、そういったマクロなスケール感を持った作品となっています。
しかし、マクロとは全く逆の方向の視点で見てみると、別の意味でのスケール感を感じることができます。
顕微鏡でのぞいていくようにどんどんミクロの世界を見ていこうと、物質、それを構成する原子、さらにそれを構成するクォークなどの小さな粒子・・・。
小さなものをもっと細かく見てみると、そこにはまた小さな世界があって、その中にもまた小さな世界がある。
ミクロを突き詰めていくと、そこには小さな世界が現れてきます。
これは宇宙の果てに行けば行くほど新しい世界が現れてくるような感覚にも似ています。
まさにミクロの世界にも果てしない世界が広がっているのです。
そういう意味で「アントマン」はスケールの大きい話であるなと思いました。
劇中でアントマンが、原子よりもさらに小さくなろうとしてコントロールが効かなくなり、量子レベルの世界にまで入り込んでしまうという描写があります。
そこで描かれている世界はまるで宇宙の果てのようでもありました。
マクロの方向にも、ミクロの方向にも世界は果てがないのですね。

ヒーローがミクロになるということで、彼が見る世界を表すためのSFX的な表現はうまくできていました。
なかなか斬新じゃないかなと思います。
こんなヒーロー、アントマンが他のアベンジャーズと共闘することになったら、どんな感じの絵になるんでしょうね。
ちょっと今からワクワクします。
本作の監督は以前はエドガー・ライトだったのですが、途中で降板したんですよね。
彼のヒーローものを観てみたかったので、ちょっと残念。
脚本のクレジットには名前が残っていたから、彼の意向も一部残っているのかな。

さて次は「ファンタスティック4」を観に行かなくては・・・。

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