「THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章」 劇場版へのプロローグ
1992年の「機動警察パトレイバー2 THE MOVIE」は様々な意味で先見性、予見性を持った作品であったと思う。
作品上舞台となったのは2002年で、首都東京は(本作にも登場する)柘植らのクーデターにより、混乱に陥る。
公開された1992年の日本はまだバブルと呼ばれる時期でした。
日本は、特に東京は繁栄を極めていると、人々が思っていた時代です。
そのようなときに「機動警察パトレイバー2」は、その繁栄、平和が欺瞞に満ちたものであると指摘したのです。
現実の世界では、舞台となった時代とほぼ同じ時期に9.11.が起こります。
世界の中でも有数の大都市が「戦争」と呼べるような状態になったことに、世界中の人々が驚愕しました。
「戦争」というものは自分から遠く離れたところで起こるものであるという漠然とした認識に先進国の人々が思っていたところで、あのような事件を目撃し、自分たちが認識していた平和というものがいかに脆いものであるかということを突きつけられたのです。
まさにその衝撃は、「機動警察パトレイバー2」で柘植がしたかったことであったのかもしれません。
人々が享受している平和がいかにもろく、幻影的なものであるかということを。
東西冷戦終結後、世界は次第に不安定になっていきました。
「機動警察パトレイバー2」の劇中でも触れられているPKO派遣のあたりから、次第に日本にも世界の情勢、戦争というものが影響を与えるようになり、最近では自衛隊についての議論も起こっています。
東アジアでも様々な問題があり、1992年の頃よりも武力衝突というものがやや現実味を帯びているような気がします。
そのような点で「機動警察パトレイバー2」は予見性を持った作品でありました。
「THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章」 は実写版「パトレイバー」の総集編、および春に公開される劇場版のプロローグという位置付けでした。
そして今度公開される劇場版は上記の「機動警察パトレイバー2 THE MOVIE」の続編的な位置付けであるということがわかります。
そもそも「THE NEXT GENERATION パトレイバー」のエピソードはOVA版、テレビアニメ版の中でも有名なエピソードをアップデートしたものが多いです。
その集大成として「機動警察パトレイバー2」のアップデートをしようということでしょうか。
「機動警察パトレイバー2」は公開された時点で未来への予見性を持った作品でした。
その予見のいくつかが現実味を帯びてしまった現代において、新劇場版はどのように平和や戦争をとらえ、新たに予見をすることができるのかが期待が高まりますね。
南雲さんがシルエットとはいえ、登場したのに驚き。
劇場版の予告では、南雲さんの声(榊原良子さん)も流れていましたよね。
ここまできたら後藤さんも出してほしい。
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コメント
ふじき78さん、こんにちは!
アニメの「パトレイバー」の2つの劇場版はとてもいい出来だと思うのですが、実写版はたしかに不安なところありますよね。
特に押井さんの実写はけっこう肩透かし的な作品も多いですから。
投稿: はらやん | 2015年2月 8日 (日) 11時10分
どんなに凄い予告編でも、駄作生みだしたりするから押井は油断ができない。今度のがそうでない事を切に願ってます。ほんま。
投稿: ふじき78 | 2015年2月 8日 (日) 10時14分