「X-MEN:フューチャー&パスト」 ユニークなアイデア
スピンオフ的に「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」で若かりし頃のプロフェッサーX(チャールズ)と、マグニートー(エリック)に描いた「X-MEN」シリーズですが、本作では現代と過去のミュータントたちをクロスオーバーさせるました。
なかなかユニークなアイデアです。
スピンオフとはいえ「ファースト・ジェネレーション」も錚々たる顔ぶれ(ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス・・・)のキャスティング、それにヒュー・ジャックマンをはじめ現代のX-MENのメンバーもかなり登場するということで、かなり豪華な出演陣ですよね。
監督はシリーズの1、2作目を担当したブライアン・シンガーがカムバックです。
「X-MEN」というシリーズは昨今のアメコミ映画ブームの火付け役と言われています。
これは子供向けのキャラクター映画というよりは大人の観賞にも堪えうるテーマ性、ドラマ性を持っていたというところが大きかったかと思います。
特に1、2作目はミュータント=マイノリティというテーマがかなり鮮明で、アメコミ映画でありながらも考えさせられるところもあった作品でした。
しかし本作は同じブライアン・シンガー監督でありながら、そういったテーマ性についてはだいぶ弱めとなっています。
けれどそれは悪いことではなく、過去と未来を繋いだ複雑な物語を描くにあたっては、そういったテーマ性は余計になる可能性があるので、割り切って本作のユニークなアイデアをみせることに集中したのかなと思いました。
物語の端緒は未来の地球。
その頃、対ミュータント用に開発されたロボット、センチネルが暴走しており、ミュータントと彼らに強力していた人間は滅亡の瀬戸際に立たされていました。
このセンチネルが非常に強く、特殊能力を持つミュータントたちですら全く歯が立たない。
ミュータントたちの追い込まれっぷりは過去の作品でもないくらいで、観ていてそこでぐっと引き込まれましたね。
ウルヴァリンが過去に行くっていうのは割と突拍子もない話ですので、このくらい追い込まれた感じにしないとちょっと安っぽくなっちゃう感じもあります。
この辺の納得性(けっこう力技ですが)、さすがブライアン・ジンガーです。
登場するキャラクターが多いと、それぞれの描き込みが薄っぺらくなり、ドラマ性がなくなってくるものですが、このあたりも上手く作っていたように思います。
「フューチャー&パスト」と言いながらも、物語の比重としては「パスト(過去)」のほうが大きく、チャールズ、エリック、レイブンといった「ファースト・ジェネレーション」系のキャラクターが濃く描かれます。
彼らにウルヴァリンが絡んでいくわけですが、シリーズを引っ張っていくキャラクターが軸となり物語に安定感を生んでいると思います。
特に今回のように過去と未来を並行して描く場合はしっかりとしたキャラクターがいるというのは安定感に繋がりますよね。
<ここから先はちょっとネタバレ>
タイムトラベルネタですので、ここから先は観た方だけ。
過去へのタイムトラベルなわけですので、過去の改変、未来の変更があります。
ということで嬉しいことに、ジーンとサイクロップスが復活!
彼らの最後はけっこう哀しかったので、これは嬉しい。
彼らが復活した新生「X-MEN」でまたシリーズ続けられるねと思いました。
「ファースト・ジェネレーション」のほうも続けられそうですし。
エンドロール後には謎のエジプトの風景がありましたし、まだまだ続きそうですね、このシリーズは。
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