「赤×ピンク」 一昔前のVシネのよう
「仮面ライダーフォーゼ」でメイン監督を務め、特撮では最近メキメキと存在感を増している坂本浩一監督の最新作です。
坂本監督と言えば、キレキレのアクション、密度がありながらもテンポの良いストーリー展開が見所となりますが、正直なところ本作は本来の坂本監督らしさが出ていないように思えました。
坂本監督の今までの作品は尺が短くても内容が濃く、上映時間以上の密度を感じるものが多かったのですが、
本作については全体的に冗長な印象がありました。
尺があるなら、それぞれの登場人物の人物造形が深く描けそうなものですが、そのあたりもやや薄っぺらい。
登場人物の女性格闘家たちはそれぞれに曰くありな過去を持っていて、戦いのステージに立っているということなのですが、どうも感情移入しにくい。
これは脚本のせいでしょうかね。
アクションについても、時間的にはかなり使っているのですが、いつもの作品のような驚きがありません。
坂本監督のアクションシーンは、役者の素面でのアクションをうまく撮ったり、大胆にカメラワークを使ったりということで、「おっ」と思わせる名シーンのようなものがいくつかあるんですよね。
本作はそういうシーンはなかったように思います。
カット割りが細かくて、もっとしっかりとアクションを観たいのに、ちょっと曖昧にごまかされているような感じがしました。
もしかすると役者さんがそれほど動けず、そうせざるをえなかったということなのかもしれませんが。
全体的に一昔前のVシネのような安っぽさ感を感じてしまいました。
| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「赤×ピンク」 一昔前のVシネのよう:
» 『赤×ピンク』(2014) [【徒然なるままに・・・】]
桜庭一樹の”初期傑作”と呼ばれる作品を坂本浩一監督が映画化!出演は芳賀優里亜、多田あさみ、水崎綾女、小池里奈、山口祥行、前山剛久、杉原勇武、桃瀬美咲、桜木梨奈、三田真央、西野翔、周防ゆきこ、大島遥、安田聖愛、人見早苗、榊英雄、品川祐ら。角川文庫創刊65周年記念作品、なんていう冠も付いてます。六本木の廃校となった小学校では今夜も、性同一性障害に悩む空手家・皐月、SMの女王様ミーコら訳アリの女性たちがぶつかり合う非合法の格闘ショー”ガールズブラッド”が開かれていた。そこへDV夫から逃げ出してきた人妻・千... [続きを読む]
受信: 2014年4月 3日 (木) 23時23分
» 2014年の008「赤×ピンク」 [Doing-on-the-fly]
「あかぴんく」と読むのだそうだ。桜庭一樹原作の坂本浩一監督最新作。主要キャスト [続きを読む]
受信: 2014年4月 6日 (日) 17時01分
» 赤×ピンク 【劇場で鑑賞】 [映画B-ブログ]
仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズを 手がけたことで知られる坂本浩一監督の新作映画 「赤×ピンク」が公開されましたので劇場まで 観に行ってきました。 仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンと 特撮人気シリーズの全てを手がけた経験がある 監督の作品だからか特…... [続きを読む]
受信: 2014年4月13日 (日) 18時20分
» 14-184「赤×ピンク」(日本) [CINECHANが観た映画について]
人には色々いる、けど自分のことだけが判らない
東京・六本木。廃校になった小学校の校舎では、毎夜、コスプレをした女の子たちがキャット・ファイトを繰り広げる非合法の格闘技ショー“ガールズブラッド”が開かれ、性同一性障害であることを隠してストイックに戦う空手家・皐月、昼はSMクラブで女王様のバイトをするミーコ、ロリータフェイスのまゆたちは、それぞれに悩みを抱えながらもオクタゴンのリングに上がり、必死に戦い続けていた。
そこは行き場を失った彼女たちがようやくたどり着いた最後の居場所だった。...... [続きを読む]
受信: 2014年9月 8日 (月) 00時30分
コメント