「イップ・マン 葉問」 カンフー映画の復活
イップ・マン(葉問)とは、ブルース・リーの師匠として知られる詠春拳の武術家です。
昨年公開されたウォン・カーウァイの「グランド・マスター」ではトニー・レオンがイップ・マンを演じていました。
「グランド・マスター」はウォン・カーウァイらしい美しい映像は見所はありますが、カンフー映画好きとしてはカンフーの動きがスローモーションやアップ等で撮られていて、アクションとしては物足りないところがあったんですよね。
本作「イップ・マン 葉問」はカンフー映画の王道に回帰したような感じがしました。
イップ・マンを演じるのはドニー・イェン。
香港のカンフーアクションスターでも本格的なアクションをする方です。
映画の中でも詠春拳を見せてくれますが、早くてキレがある。
動きに無駄がない。
優れた武術家の動きはそれ自体が美しい。
カンフー映画の見所は立ち回りですが、目にも留まらぬ早さでの攻守が本作でも繰り広げられます。
もともと詠春拳は攻守が一体担った拳法ですが、それがしっかりと出ている。
カンフー映画に期待していることってこういうスピード感なのだよなぁと改めて確認しました(だから「グランド・マスター」はちょっと違うと思ったわけで)。
香港を舞台にしたカンフー映画というとこういうのを期待しちゃうんですよね。
まさにカンフー映画の復活です。
ストーリーも香港のカンフー映画の王道の作り。
基本的には大事な人間(親とか師匠とか友人とか)が殺されて、その敵を討つというもの。
本作ではイップ・マンは、香港で出会った武闘家ホンの敵を討ち、さらに中国武術の誇りを取り戻す戦いに挑みます。
ストーリーの構成は王道なのですが、往年のカンフー映画と違うのは全体的に野暮ったさがないこと。
主人公のイップ・マンは道を究めた武術家なので、かつての若かりし頃のジャッキー・チェンが演じた主人公などのようにただ熱くなるということにはならない。
静かに誇りにかけて戦いに挑むという感じです。
あと、久しぶりにサモハン・キン・ポーを観ましたよ。
重要な役回りで出演していました(アクション監督も兼任しているようですね)。
ジャッキー世代の自分としてはサモハンが観れるのは嬉しいです。
相変わらず太っているのにあの動き。
いやはやすごいですね。
劇中流れる音楽は聴いていて「川井節」っぽいなあと思って聞いていたら、ほんとに川井憲次さんの作曲だった。
香港の仕事もしているんですね。
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