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2013年12月29日 (日)

「武士の献立」 姉さん女房の奮闘記

上戸彩さん、最近良妻役が多いですね(「半沢直樹」は観てないけど)。
本作で上戸さんが演じるのは、料理上手で気が強い出戻り娘の春。
その料理の腕と味覚の鋭さを買われ、ひょんなことから加賀藩の料理役(包丁侍)の家に嫁ぐことになりました。
夫なったのは舟木安信、料理役の跡継ぎです。
春から4歳年下なので、つまり春は姉さん女房。
けれど彼は包丁よりも刀を手に武士らしく主君に仕えたいと思っていて、てんで料理には興味がありません。
また父親が勝手に決めた縁談で嫁いできた春を「古狸」と呼び、つれない様子です(初夜の時、春の名前を「夏」と間違えるくだりは安信の無関心さを表していておもしろい)。
そんな夫を一人前の料理役にしようと奮闘する春の姿が描かれます。
夫を立て尽くしながらも、励ましそして時には厳しいことも言う。
多くの男性は春のような人が理想の妻のように感じるでしょう。
けれども妻が夫に尽くすばかりというのは何か違う、という方もいますよね。
夫婦のスタイルというのは、それぞれの性格とか相性とかあるのでどれが正しいというのはないかと思います。
尽くすというとなにか、やらされている感じに受け止められる方もいるかもしれません。
でも春の場合は、それが彼女にとっての幸せだからそうやっているのだと思います。
夫の成功を自分のことのように感じる、そのために自分ができることをやるということに幸せを感じる人なのでしょうね、春は。
春は決して夫に尽くすことを、つまらないと思ってやっているのではないのです。
安信が料理役というお役目は、侍として役に立つ仕事ではない、つまりはつまらないと愚痴を言います。
そんな夫に春はこう言います。
「つまらないお役目だと思ってるから、つまらない料理しかできぬのではありませぬか」
仕事にしても生き方にしてもそれをつまらないと思いながらやっていると、そこに価値は見いだせません。
逆に意味があると思ってやれば、そこに価値は見いだせる。
夫にそう言って春は励まします。
そしてまた春も夫に尽くすことをつまらないとは思っていません。
そこに意味があると感じていて、幸せに思っている。
だから彼女は一所懸命に夫のサポートを務めるのですね。

和食文化がユネスコの文化遺産になって、注目を集めています。
そういう点で本作はタイムリー。
映画の中で、加賀料理がいくつも出てきますが、どれもおいしそうでした。
カボチャと小豆をいっしょに煮ていた料理が素朴だけど、おいしそうだったなあ。

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コメント

Nakajiさん、こんにちは!

おもったより、お料理が映る場面はすくなかったですね。
加賀料理ってどんなもんかもっと知りたい感じはありました。

投稿: はらやん | 2014年1月11日 (土) 07時14分

こんにちは。

料理もっとメインに見たかったです。
どれもおいしそうでしたね~

投稿: Nakaji | 2014年1月 6日 (月) 15時34分

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