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2013年12月22日 (日)

「カノジョは嘘を愛しすぎている」 理子役がオーディションで選ばれた意味

人気少女漫画の映画化作品ですが、予告を観るまでまったくその存在を知らず。
最近、恋愛ものの少女漫画の映画化って多いですよね。
大体スルーしているのですが(あんまりストレートな悲恋ものって好きじゃないのだ)、なぜかこちらの作品は気になって観に行ってきました。
本作は恋愛ものだけれど主人公が男性のほうなんですよね、だから入り込みやすかったのかも。

主人公秋(佐藤健さん)は人気のバンド”クリプレ”のサウンドクリエーター(作曲家みたいなものか)。
”クリプレ”は秋とその友人たちが高校時代に作ったバンドですが、辣腕プロデューサーの目に止まり、デビュー、そしてたちまち絶大的な人気になったのです。
しかし、秋は音楽をビジネスとして売り出す仕組みに違和感を感じ、バンドメンバーには加わらず、顔を出さず”AKI”としてバンドの作曲を行っていました。
好きな音楽を仕事としているのに、何か悶々とする日々。
冒頭彼のモノローグにあるように、秋は違和感を抱えながら不機嫌であったのでした。
そんな彼の前に、突然現れた理子(大原櫻子さん)は、彼が持ったいる音楽へのピュアな想いをそのまま人にしたような存在であったのでしょう。
どこから見ても普通の女子高生(すんごいカワイイというわけでもない、けっしてブスでもないという絶妙なキャスティング)である理子。
しかし理子は天性の美声を持っていて、そしてなにより音楽へのピュアな想いを持っていた女の子でした。
秋が、自身がかつて持っていたと思っている音楽への想いを。
”クリプレ”のメンバーはプロデューサーに担ぎ上げられている感じというものを持っていながら(自分たちの実力がまだまだであることがわかっている)も、音楽業界のそういう状況について大人になって受け入れています。
秋のライバル的な存在である心也は、秋にひけをとらない実力を持っている(演奏については秋を凌駕している)のですが、彼自身の力を発揮できるときを待っている様子です。
秋は天才と呼ばれるほどの力を持っていますが、売らんかなというビジネス的な音楽業界を斜に見ていて、けれどもそこを離れることができるわけでもありません。
高校時代のようにただ音楽が好きっていうだけではいられない、ということに苛立ちを感じているのです。
他のメンバーは大人の世界になにかしら自分なりに折り合いをつけているわけですが、秋はそれができない。
そうやって斜に構えていることも実は音楽に対してピュアではないということに彼自身も内心では気づいてたのかもしれません。
だから、そういうときにあくまでピュアな想いを持つ理子に出会い、秋は彼女に惹かれたのでしょう。
理子はピュアだからこそ表面的な見かけや言葉に惑わされるはなく、その本質に気づくことができるのですよね。
秋が嘘を言っても、その言葉の奥になにがあるのか何か感じてしまう。
彼の心にあるピュアな想いに気づき、その弱さもわかり。
だからこそ「守ってあげたい」と言える。

理子役はオーディションで選ばれたということ。
演じるのは大原櫻子さんですが、まったく見たことがないのはそのためですね。
理子という役はその存在自体がピュアであることが重要な役です。
秋にとっては音楽の女神ともいっていいような存在になります。
彼が慈しむ存在であり、また彼を守ってくれる存在といったような。
大人の世界にまだ汚れていない感じ。
つまり理子という役にはある種の処女性のようなものが求められるように思います。
演技が上手い女優さんが演じたとしても「どこかで見た」感を払拭するのはなかなか難しい。
オーディションで選ぶことにより「誰もまだ知らない」理子という感じが出せたように思います。
確かに大原さんは演技は少々拙いところがあるのですが、それもまた普通っぽい感じが出ていましたよね。
そして彼女は何しろ歌が上手い。
当然この役は歌が上手くなくては成立しないのですが、まさに適役だと思いますね。
演技は拙いところがあるのですが、歌いだすと存在感が出てくる。
理子も普通の高校生が、歌を歌う時に輝きを増すという役どころですが、まさに演者と役がシンクロしている感じがしました。
楽しそうに歌っている感じが良いです。
予告でも彼女がなんかキラキラしているところが印象的だったんだよな、たぶん。

あと、秋の高校時代からの友人で”クリプレ”のボーカルである瞬がいいですよ。
瞬は登場した時は「チャラ男」な感じがたっぷりだったのですが、見かけと違い周囲のことがよく見えている。
わりと秋は冷静なようであまり周りが見えていない男なのですが、瞬はそんな秋のことにもしっかりと目配せしているんですよね。
ほんといいヤツ。

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