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2013年12月24日 (火)

「ブリングリング」 ユルい友達

若かった頃、自分たちの世代は「新人類」と呼ばれていました。
そのときの大人たちから見れば「何を考えているかわからない」ということで、そのように言われていたのだろうと思います。
本作を観て、主人公の少女たちの行動を観ているとまさに「新人類」、というより「異星人」、とにかく何を考えているのかわからんという感じでした。
これは自分が年をとったからということなのか、それとも若い人でも彼女たちに共感できないのかよくわかりませんが。
ハリウッドの近くに住む10代の少女たちは、超有名なセレブの自宅に入り込み、そこにあった高級品の窃盗を繰り返していたという事件が起こりました。
彼女たちはそれに罪の意識を感じているようには見えませんし、またスリルを楽しむ愉快犯的なゲーム感覚でやっていたというのとも違う。
彼女たちの家は特に貧乏で生活に困っているわけでもありません。
上の下、中の上ぐらいの生活でどちらかと言えば恵まれている方ではないかと。
彼女たちは人の家に入って金品をいただいてしまうということを、何か自然にやっているんですよね。
それができてしまう感覚というのがよくわからない。
ゲーム感覚というのとも違うから周到に準備をしているとか頭を使っているとかというのも違っていて、窃盗行為も甘いというか、なんというか・・・。
防犯カメラは気にしない、家宅侵入・窃盗したことを知り合いに言いふらす(聞いたやつらもクール!とか言っちゃうし)、盗った衣服やジュエリーを身に着けた写真をFacebookにアップする。
こういうことができちゃうというのは、自分たちがやったことが自然であるという彼女たちの感覚の表れでしょうね。
結局のところ警察に捕まってしまうわけですが、どうも彼女たちはほんとうに罪の意識が感じられるようには見えません。
マークは捕まってからFacebookでの友達申請が800人もあって全部承認したとか言ってるし、ニッキーはテレビに出てセレブ気取りですし。
ニッキーと、彼女の義理の姉妹であるサムの会話はちょっと驚いたんですよね。
物語の後半、ニッキーは逮捕されましたが、サムはたまたま監視カメラに映っておらず捕まらなかったわけです。
判決がでる裁判に出るために着替えをしながら(しかも超ミニ)ニッキーは「あんたは運がいいわよね」といったことを言い、サムは「うん、ラッキー」のような答えをします。
捕まったニッキーにも、捕まらなかったサムもまったく犯罪への罪の意識は皆無です。
他のメンバーを同じような感じ。
なんなんだこれは・・・、よくわからん。
ソフィア・コッポラの作品での登場人物は恵まれた環境にいながらも何かいい知れぬ孤独を感じている人というのを描いていることが多いように思います(「マリー・アントワネット」「SOMEWHERE」)。
しかし、本作の登場人物たちは恵まれた環境にあるということは共通ながらも、孤独すら感じていません。
でも実は彼女たちは孤独であることに気づいていないという感じもします。
5人の少女たちはいっしょに犯罪行為をしますが、強く結ばれた仲間意識というのもありません。
なんとなくそのときのノリでやっちゃっているというか。
お互いにかばい合う意識もあるわけでもないですし。
彼女たちを観ていると、ネット時代の現代でSNSツールでなんとなく繋がっているユルい「友達」のような関係性をイメージされます。
繋がっているように見えて実は孤独。
そう考えるとこの時代を表しているようにも感じます。

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コメント

Nakajiさん、こんばんは!

友達がたくさんいるように見えて、みんな孤独な感じがするんですよね。
表面では繋がっているように見えて違う・・・。
事件が発覚してから、それぞれの行動や発言からそんな印象を強く受けました。

投稿: はらやん | 2014年4月17日 (木) 20時50分

こんにちは。

>彼女たちを観ていると、ネット時代の現代でSNSツールでなんとなく繋がっているユルい「友達」のような関係性をイメージされます。
繋がっているように見えて実は孤独

これ本当に思いました。孤独ってすごく感じた作品でしたね~

投稿: Nakaji | 2014年4月16日 (水) 22時46分

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