「42 〜世界を変えた男〜」 世界を変えた男とサポーター
ジャッキー・ロビンソン、初の黒人大リーガー。
黒人への差別が当たり前であった40年代に、白人に独占されていた大リーグのプレーヤーとなった彼の苦労は僕たちが想像する以上のものであったのでしょう。
本作でも描かれているような試合中の罵詈雑言や、嫌がらせがあったら、自分だったら心が折れてしまうだろうなと。
そういった差別に対し、野球選手としての自分の実力を見せ、あくまでも紳士らしい態度で人間性を感じさせ、ジャッキーは人々に認められるようになったのです。
彼は副題にあるようにまさに「世界を変えた男」であったのですね。
そういった彼の姿に心うたれましたが、本作を観ていて思ったのは別のこと。
世界を変えていく人というのは、他の人に比べ優れた能力、魅力的な人間性というものを持っているものです。
ジャッキー・ロビンソンもそういう人であったのでしょう。
けれど人よりも優れていて、人としても魅力的な人であっても、必ずしも世界を変えることができるわけではありません。
本作で重要な役割を担うのは、ドジャースのGMであったブランチ・リッキーです。
誰でも野球を愛し、プレイできるという理想を彼が実現しようという強い信念を持ち続けたからこそ、ジャッキー・ロビンソンという黒人初の大リーガーが誕生したと言ってもいいかもしれません。
才能がある人が活躍するには、彼らが能力を安心して発揮できる環境がなければいけません。
まれに自分で環境整備からなにから全部できる天才もいますが、誰しもそうはいきません。
ジャッキーの前には様々な障害が立ちはだかり、彼は果敢にそれに挑みますが、それでも心が挫けそうになるときもあります。
しかしリッキーは表に裏にジャッキーをサポートし続け、彼が実力を発揮できる環境を整えます。
環境面といっただけでなく、リッキーのブレない信念がジャッキーにとって精神的にどれほどに支えになったかしれません。
自分を支持してくれる人がいるだけでどれだけ前線でがんばる者が救いになるか。
経験ありませんか?途中でハシゴ外しにあったりしたこと。
リッキーは決してハシゴを外すことなく、リッキーに対して盤石なサポートを行ったのです。
またジャッキーを支えたのはリッキーだけではなく、記者のウェンデル、妻のレイチェルも、そしてチームメイトやファンたちも彼をサポートしました。
世界を変えたとき、それを成し遂げた人だけに注目が集まりがちですが、そういった人々をサポートした人たちがいたからこそなのだよなと改めて思った次第です。
予告で観たときは、ハリソン・フォードの名前が出た時、ちょっと驚いてしまいました。
えらく老けたなぁと。
本作観たら、老けた感じの役作りかなと思いましたけど。
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