「陽だまりの彼女」 想いが起こす奇跡
松本潤さん、上野樹里さん主演のラブストーリーでありファンタジーでもある物語。
中学生のときに同級生だった浩介(松本さん)と真緒(上野さん)は好き合っていましたが、浩介の引っ越しで離ればなれになってしまいました。
それから10年後、二人は再会し、再び恋に落ちます。
二人は付き合い、そして結婚し幸せな日々を過ごしますが、やがて真緒にはある秘密があることがわかってきます。
なるほど、真緒の秘密がわかってくるとタイトルの意味がわかってきますね。
その秘密が後半で明らかになると、そのヒントとなる描写(真緒が熱いコーヒーが苦手とか、高いところは平気とか)が最初の方からいくつか散りばめられていたということに気づき、脚本がしっかりと構成されていたということがわかります。
物語で描かれるのは秋から冬にかけてですが、「陽だまり」というタイトルのイメージからくる、あったかさ、ほんわかさみたいなものが映像からも感じられます。
真緒が辛かった時、寂しかった時に、浩介の側こそが安心してぬくんでいられる場所=陽だまりであったということなのでしょうね。
寒い時、陽だまりがとてもありがたくほっとしていられる場所であるように。
こういう映画の雰囲気はとても好感がもてました。
この映画を観にくる多くの人(特に女性)のお目当ては松本潤さんであると思いますが、こちらではあえてもう一人の主人公真緒役の上野樹里さんに注目してみましょう。
上野さんはNHK大河ドラマの「江」で主演を努めて以来のしばらくぶりの登場となります。
彼女が演じた中で印象的である役はやはり「のだめカンタービレ」ののだめでしょう。
天然であり超マイペース、思い込んだらまっすぐにずんずんと突き進んでいってしまう、この特異なキャラクターは上野さんのアタリ役となりました。
のだめ役のイメージというのは、上野さんのその後の役柄イメージにも強く影響を与えているかなと思います。
もしかするとご本人的には役柄の幅が狭くなるので特定キャラクターのイメージが強すぎるのも考えものなのかもしれません。
しかし上野樹里さんでなくては演じられないキャラクターもあるような気がします。
まさに本作の真緒というキャラクターは上野さん以外は考えられないはまり役であったように思いました。
上野樹里さんは、相手を見つめる瞳がまっすぐであるという印象があります。
のだめが千秋を見つめるのもそうですし、本作での真緒が浩介に対しての瞳も。
それは決して厳しい目線というのではないのですよね。
相手のことを想い、目を逸らすのも惜しくずっと見つめてしまうという感じ。
熱っぽい視線というのとも違う。
想いのこもった瞳なんですよね。
こういう瞳で見つめられたら、浩介が恋に落ちてしまうというのはわかるような気がします。
また彼女の醸し出す雰囲気というのも他の女優さんとはちょっと違う。
ご本人のインタビューなどを観ていても、なんとなくほわっとふわっとしているような不思議な雰囲気なんですが、それでいて芯がしっかりしているというか、考えている感じというのがあるんですよね。
このあたりのご本人の雰囲気というのが、真緒というキャラクターに非常にマッチしているように感じました。
上野さん=真緒の雰囲気というのは、冒頭に書いた作品全体との雰囲気に通じるものがあり、だからこそこの映画は上野さんのキャスティングがとてもしっくりくるよう思いました。
真緒がいなくなってしまうと、それに関わった人々の記憶や物も失われてしまう。
もちろん浩介の記憶の真緒の思い出も。
けれど浩介が前に真緒につけられた手のひらの傷はそのままに残っていました。
クリスマスの夜、浩介は真緒が好きだったビーチボーイズの歌を聞き、涙を流します。
傷と同じように、浩介の記憶は消えなかったのかもしれません。
そう、願いたいですね。
彼の想いが起こした奇跡だと。
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JUGEMテーマ:映画館で観た映画
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小説に近い設定だったので、あまり違和感がなかったのが良かったです。
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江の島などの風景とほんわり感が小説のイメージだったので
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最後まで楽しめて観ていました。
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渡来真緒役の上野樹里は、初日舞台あいさつの見た目よりも
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映画の中では初々しく、渡来真緒の感じが出ていました。
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受信: 2013年10月27日 (日) 06時36分
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バレバレなんだけど・・・ [続きを読む]
受信: 2013年10月27日 (日) 07時44分
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陽だまりの彼女@よみうりホール [続きを読む]
受信: 2013年10月27日 (日) 09時03分
» 陽だまりの彼女 [to Heart]
最初で最後の“恋(うそ)”だった。
10年ぶりに再会した初恋の人には、
“不思議な秘密”があった――
製作年度 2013年
上映時間 128分
原作 越谷オサム『陽だまりの彼女』(新潮文庫刊)
監督 三木孝浩
主題歌 山下達郎『光と君へのレクイエム』
テーマソング ビーチ・ボー...... [続きを読む]
受信: 2013年10月27日 (日) 13時26分
» 映画『陽だまりの彼女』★愛する気持ちはずっとあり続けるファンタジー(^_-)-☆ [**☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆**]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161397/
↑ あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
社会人になって、10年ぶりに再会した恋人たち。
やけ焼けぼっくいには、すぐに火がついて、結婚し、アツアツ (#^.^#) に ☆
けれど、段..... [続きを読む]
受信: 2013年10月27日 (日) 15時23分
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☆☆☆☆- (10段階評価で 8)
10月12日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター8にて 16:05の回を鑑賞。 [続きを読む]
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受信: 2013年10月27日 (日) 21時55分
» 『陽だまりの彼女』 [仲間が増えるといいなぁ・・・]
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本当に申し訳ないです。
まぁ、仕方がないですよ。...... [続きを読む]
受信: 2013年10月27日 (日) 22時53分
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交通広告代 ... [続きを読む]
受信: 2013年10月28日 (月) 07時10分
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“この映画...... [続きを読む]
受信: 2013年10月29日 (火) 09時48分
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陽だまりの彼女 MOVIX川口 10/12公開
取引相手を訪ねた新人営業マンの浩介(松本潤)は、そこで同じ中学校に通っていた幼なじみの真緒
(上野樹里)と10年ぶりの再会を果たす。
学年有数のバカとして名をはせ、何かといじめられていた彼女が、当時の姿から想像がつかないほど
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再会に運命めいたもの感じた二人は惹(ひ)かれ合うようになり、結婚を決...... [続きを読む]
受信: 2013年10月30日 (水) 00時11分
» 陽だまりの彼女 [タケヤと愉快な仲間達]
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【解説】
「金曜のバカ」「ボーナス・トラック」などの越谷オサムのベストセラー小説を実写化したラブストーリー。パッとしなかった幼なじみと再会した青年が、魅力的な女性になった彼女と恋に落...... [続きを読む]
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2013年10月31日(木) 13:50~ TOHOシネマズ日劇1 料金:0円(フリーパスポート) パンフレット:未確認 ジャニ規制につき、中学時代の二人。これは、素晴らしいキャスティング 『陽だまりの彼女』公式サイト フリーパスポート3本目。 小説の記事に沢山トラックバックいただきありがとう。 「君に届け」も平然と一人で観に行ける俺としては、本作も余裕で単独鑑賞。しかし、土日でなく平日登場という卑怯者。 「虹の女神」は良かったのだが、それ以降何か苦手になった上野樹里。当然、「のだめ」... [続きを読む]
受信: 2013年11月 6日 (水) 23時28分
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越谷オサム著の同名小説を松本潤&上野樹里主演で描いたラブファンタジーです。 原作は未読でしたけど、有名だったのでどんな物語なのか気になっていました。 二人のキュートな演技に最後まで魅せられるような心温まる物語でした。 ... [続きを読む]
受信: 2013年11月23日 (土) 21時43分
» 陽だまりの彼女 [Spice -映画・本・美術の日記-]
「陽だまりの彼女」の試写会へ行ってきました。
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受信: 2014年1月19日 (日) 02時19分
» 13-344「陽だまりの彼女」(日本) [CINECHANが観た映画について]
猫に九生あり
冴えない新人営業マンの浩介は、仕事先で中学時代の同級生にして初恋の相手・真緒と偶然の再会を果たす。
当時はイジメられっ子だった真緒を、浩介がいつも庇ってあげていた。
そして10年ぶりに浩介の前に現われた彼女は、美しく素敵な女性へと変貌を遂げていたのだった。
ふたたび恋に落ちた2人はやがて結婚し、幸せな新婚生活を送るのだが。(「allcinema」より)... [続きを読む]
受信: 2014年2月 5日 (水) 01時34分
» 映画『陽だまりの彼女』を観て [kintyres Diary 新館]
13-80.陽だまりの彼女■配給:東宝、アスミック・エース■製作年、国:2013年、日本■上映時間:129分■料金:0円(観賞券使用)■観賞日:10月19日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)
□監督:三木孝浩◆上野樹里◆松本潤◆玉山鉄二◆夏木マリ◆大倉孝二◆谷村美月◆菅田 将暉◆...... [続きを読む]
受信: 2014年4月13日 (日) 22時05分
» 陽だまりの彼女 [いやいやえん]
猫の恩返し的人魚姫ストーリーでした。
彼女無しの草食男子が、初恋の彼女と再会し、デートして結婚して→彼女に不調が!?から、ファンタジックなエンディングに着地する。
あまりにもファンタジックでピュアな恋愛にほっこりさせていただきました。
まあ彼女の秘密が全てな作品なのですが、ラストの展開はどこかでみたことあるような。しかしそれをど真ん中ストレートで演出しているので、王道恋愛を感じるつくりになっている。主演2人は、どちらも純粋な感じが良く出ていて良かったように思う。
切なくてキュン♪とな... [続きを読む]
受信: 2014年4月27日 (日) 09時01分
» 陽だまりの彼女 [Heaven of the Cinema]
この映画を未見の人は、映画を見てから下記を読んでください。
ネタバレ満載なので。
お願いします。
原作は未読です。
一途で真っ直ぐ。
可愛くて、微笑ましくて、
柔らかくて、眩しくて、とても暖かい。
いつ見ても、幸せそう。
ストーリー的には、突っ込みどころもあり、
上手く生かされていない登場人物や、
印象に残らない重要な場面もあって、
少し...... [続きを読む]
受信: 2014年11月 1日 (土) 19時18分
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