本 「総理の夫」
痛快な小説です。
史上初の女性総理大臣誕生。
総理大臣となった相馬凛子は、美貌もあり、頭も切れ、そして国民のためにという自分の信条の元、まっすぐに政治を進めていく。
当然のことながら、彼女の前には手練手管に長けた政治家たちが魑魅魍魎のように跋扈するわけですが、彼女は臆せず前進します。
本作はその様子を、本人ではなく、ファースト・レディならぬファースト・ジェントルマンとなった凛子の夫日和の視点で語られるのがおもしろい。
現在の日本は様々な課題を抱えているのは、政治の素人でも明らか。
財政は真っ赤っか、経済はやや上向いているというものの、このままでは破綻の道を突き進んでいくのは明らか。
消費税導入は個人のレベルではいろいろあるとはいうものの、致し方ないと思っている国民も多いですよね。
それにも関わらず、政治家はそれを自信を持っていい、国民の目を見てまっすぐに説明しようとする政治家はいない。
今必要なのは言いにくいことでも必要であるならば、しっかりと自分の言葉でまっすぐに語れる人なのでしょう。
政治にリーダーシップが必要ということはもう何年も言い続けられていて聞き飽きている感もありますが、リーダーシップというのは自分の思い通りにやるということではありません(小泉さんのように)。
本当のリーダーシップとは国のこれからの道筋をしっかりと伝え、それを国民に納得させ、そして導いていくということだと思います。
この国民を納得させるということをちゃんとやれる政治家がほとんどいない。
だからこそ、この小説は痛快なのです。
現実にはいない理想の政治家の颯爽とした姿を描いているから。
女性ならではの課題も取り上げています。
それも現代の課題の一つ。
少子化、女性の職場環境の問題(育児休暇、子育て支援、育児の復職など)・・・。
女性総理ということでの課題、凛子そしてその夫日和はどう乗り切るのでしょうか?
是非読んでみてくださいね。
「総理の夫」原田マハ著 実業之日本社 ハードカバー ISBN978-4-408-53627-9
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