本 「シミュラークルとシミュレーション」
ウォシャウスキー姉弟が「マトリックス」を作る時に、関係者にこの本を読むようにと配ったということを聞いて買ってあった本です。
フランスの社会学者ジャン・ボードリヤールの著作になります。
ずっと「積んどく」になっていました。
今回ようやく手にとって読んでみましたが、95%くらい(つまりほとんど)理解できませんでした・・・。
難しい・・・。
手に取った本は最後まで読むというのが信条なので、がんばって読み切りましたが、しんどいしんどい。
なのでこの文章もレビューなんて代物になっていないのですが、自分が理解できた(と思っている?)ところだけちょっと書いてみたいと思います。
タイトルにあるシミュラークルというのは聞き慣れない言葉ですよね。
この言葉はボードリヤールがこの著作で頻繁に使うのですが、オリジナルなきコピーという意味合いだそうです。
・・・これだけでもわかりやすいですよね。
シミュラークルの事例として上がっていたのはこういうものです。
アメリカのネイティブアメリカン(つまりインディアン)は、白人の進出によりその文化を大きく破壊されました。
しばらくたってそういう行為は野蛮であり、インディアンの文化は大切に守られるべきということとなり、インディアンの居住区などができてそこでインディアンが暮らすようになります。
そこではインディアンの文化が一見守られているように見えますが、一度は破壊された文化であり、その本質、精神性などは失われていて、表面的な模倣だけが残っている。
このようなことをシミュラークルと言っているのですね。
現代はこのようなシミュラークルが多く溢れ、その本質などが見失われ、そもそもそのような意味等あったのかというような不確実で不明瞭な状態になっているというのがボードリヤールの考えだと思いました(すいません、読解力が追いつかず、違うかもしれませんが)。
この本は80年代のものなので、現代はそこからさらにインターネットなどのテクノロジーが発達しています。
よりシミュラークルが進行しているようにも思えるのですが、このような時代を生きていたらボードリヤールはどう感じたのでしょうか?
「シミュラークルとシミュレーション」ジャン・ボードリヤール著 法政大学出版局 ハードカバー ISBN4-588-00136-1
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