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2013年8月17日 (土)

本 「ビブリア古書堂の事件手帖<3> -栞子さんと消えない絆-」

このシリーズは古書にまつわる謎を、古書店主篠川栞子が解き明かしていくというエピソードで作られています。
古書ですから、その謎は数年前から何十年も前の話になることもあります。
しかし栞子が謎を解き明かすと、何年も前のことであっても、それに関わった人、そして今の人、それぞれの感情が豊かに甦ってきます。
3作目の本巻で好きなエピソードは「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」ですね。
家族は近いからこそこじれた関係というのは何年経ってもなかなか修復できないこともあります。
お互いに意地を張り合ってしまうことがあるからです。
栞子は一冊の絵本の謎を解くことにより、何年にも渡る親子の確執を解く糸口も見つけます。
また栞子も何年にも渡り、母親に対して複雑な想いを持っていました。
自分勝手に家を飛び出してしまった母親。
彼女がなぜそのようなことをしたのか、それはおいおい解き明かされていくのでしょう。
ドラマではほとんど栞子の父親の話題は出ませんでしたが、小説では直接的ではないにしろ、彼のことが描かれます。
また栞子の妹(小説は弟ではなく、妹)も実は重要な役回りであったこともほのめかされています。
すでに4巻は出ていますので、また手に取ってみたいと思います。

「ビブリア古書堂の事件手帖<3> -栞子さんと消えない絆-」三上延著 メディアワークス 文庫 ISBN978-4-04-886658-3

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» 『ビブリア古書堂の事件手帖3/栞子さんと消えない絆』 三上延 [【徒然なるままに・・・】]
シリーズ3巻目、もうすぐ4巻目が発売になるようです。 今回もプロローグとエピローグに挟まれた3つの連作短篇集となていて、一つ一つは独立したそれぞれの本にまつわるお話になっていますが、一冊としてもまとまりがあるものになっています。さらに栞子さんのお母さんの謎をからめた大きなお話が1巻から続いているわけで、これはなかなかの構成力だなあと感心しております。 最初は「男にとって都合の良い理想像」だった栞子さんですが、段々と生の感情を剥き出し、まではいかないまでも多少は内面を吐露するようになってきてい... [続きを読む]

受信: 2013年8月25日 (日) 09時56分

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