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2013年6月22日 (土)

「二流小説家-シリアリスト-」 長編をコンパクトにまとめてはいる

このミス(海外編)等で第1位をとったデイヴィッド・ゴードンの小説「二流小説家(原題はThe Serialist)」の映画化作品です。
海外ミステリーを邦画で映画化というのは珍しいですよね。
原作は3ヶ月前くらいに読んだので、筋はだいたい覚えている状態での観賞。
ですので、だれが犯人なのかとかそういうのもわかっちゃっているので、今回のレビューはピュアじゃないかもしれません。
原作はそこそこのボリュームがある作品ですので、まず映画の尺に納まるのかなというのが気になっていたところでした。
観てみるとちゃんとしっかりと納めていました。
映画を観てから思い返すと、小説はやや冗長なところがいくつかあり、そのあたりを映画のほうはばっさりと切っています。
ただ筋は原作とほぼ同じでミステリーの本質についての改変はほぼありませんので、うまく脚本をまとめたという感じがします。
監督の猪崎宣昭さんは長年2時間サスペンスを撮っていた方ということなので、尺に合わせてミステリーをコンパクトにするというのは得意なのかもしれません。
ただしコンパクトにしたため、登場人物に深みがなくなったのは、やや残念なところ。
特に、主人公の小説家赤羽と絡む役どころとなる被害者遺族会のひとり長谷川千夏(原作ではダニエラ・ジャンカルロ)は、小説ではミスリードを引き起こす役になっているのですが、それについては映画では臭わすところはあるものの深掘りせずさらっと流していましたね。
あと原作では要所要所で登場してきていた、弁護士の助手鳥谷(原作ではテレサ・トリオ)はほぼ脇の役になっていました。
ま、もともと原作では本筋には絡んではいなかったので妥当な判断でしょう。
原作は冗長感があって、個人的にはそれほど夢中になった感じではなかったのですが、ミステリーらしい「溜め」のようなものはありました。
ここでいう「溜め」というのは、誰が犯人かわからないというようなドキドキした状態がしばらく続くと言った意味合いです。
映画はコンパクトにまとめあげた分、この「溜め」というのがあまり感じられません。
サクサク観れるという点は、2時間ドラマ的な感じなのかもしれませんが、ちょっと物足りなくもあります。
ちなみに武田真治さんが演じていた死刑囚、呉井大悟の原作での名前はダリアン・クレイ。
名字は合わせていたのですね。

原作「二流小説家」の記事はこちら→

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コメント

sakuraiさん、こんばんは!

本の方はかなりボリュームがありました。
ただ冗長なところもあったので、うまくまとめたなと思いましたね。
こちらの原作は映画を観てからの方が読みやすいかもしれません。

投稿: はらやん | 2013年7月21日 (日) 21時37分

なかなかよく収まっていたのですね。
本は読んでませんが、そんな感じはしました。

ミステリーは、難しいですよね。
まさか映画になるなんて!!と、すでに読んでしまってると、感想が全く違ってくる。
見てから読むのも、ちょっともどかしいし、、、、。
でも、文字の方がやっぱ好きだな。
私、いくら頑張ってもこれから司法試験は無理です・・・。

投稿: sakurai | 2013年7月17日 (水) 12時25分

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