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2013年6月23日 (日)

「アフター・アース」 「危険」と「恐怖」

この映画、「シックスセンス」のM・ナイト・シャマラン監督の作品なのですが、予告ではいっさい触れられていませんでしたね。
このところ作った作品はあまり評判がよろしくないので、とうとう監督名ではお客さんを呼べないと思われたのかな。
いつまでも「『シックスセンス』の」という枕詞がつくというのも、監督的にはあまりよいとは言えないですよね。
ですので、本作はウィル・スミス、ジェイデン・スミスの父子鷹映画として宣伝されていますね。
ま、内容もそういう感じなので素直なアプローチだとは思います。
元々この作品の原案はウィル・スミスが作ったということなので、M・ナイト・シャマランテイストというのは抑えめで、ある種雇われ監督として誠実に作っている感じはしました。
彼のテイストを期待すると違う作品なのですが、素直に観ればシンプルに作られたわかりやすい作品だと思います。

素直なお話なのですが、面白いなと思ったのは「危険」と「恐怖」についてのくだり。
両方とも「危ない」というイメージは同じなのですが、その本質は違う。
そもそも人類とほかの動物が異なる点というのがあって、その中のひとつで大きなものが人類だけが「未来」というものを考えることができるということ。
基本的に動物は「今」を生きるのであって、その先に何が起こりそうかということを考えて生きているわけではありません。
「今」起こった状況に対し、反応しているだけです。
しかし人間は将来に起こりそうなことを予想して、それに対処して動くことができる。
未来に起こりそうな「危険」を察知し、それに対して準備をする。
その能力により、人間は他の動物とは異なる方法で、サバイバルをすることができたのでしょう。
ここでいう「危険」というのはあくまでそういう状況のことです。
しかし人間は時間を感じ、将来に思いを馳せることができることにより、別のものも手にしてしまいます。
それが「恐怖」です。
「恐怖」というものは、将来起こりそうな「危険」に対し恐れを抱くこと、です。
その「恐怖」は将来の「危険」に対してのアラームにもなり、それの準備をするということにも繋がりますが、その「恐怖」が大きいと逆に立ちすくみ、動くことができなくもなります。
動物は将来について考えることはないので「恐怖」を感じることはありません。
本作でもサイファ(ウィル・スミス)が語るように、「恐怖」は己の心の中にのみ生じるもの。
それはコントロールできる。
その境地は「危険」な状況であっても心が静水のごとくなるようなものなのでしょう。
「危険」な状況においても、己の心の置き方次第で物事の見え方は変わる。
このあたりはナイト・シャマランの過去の作品にも見られたものですね。
見えるものだけが真実ではなく、違った見方ではそれは別の様相となる。
ウィル・スミスがこの作品をM・ナイト・シャマランに撮ってもらったのも、彼の今までの作品に本作とも今日ツする感覚を見いだしたからなのかもしれません。

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コメント

メビウスさん、こんにちは!

シャマラン色は少なかったですよね。
このところ失敗続きだったから、あまり色を出さないようにしたのかもしれませんね。
ウィル・スミスが目を光らせていたのかもしれません。
そのせいか(?)意外と楽しめました。

投稿: はらやん | 2013年7月 7日 (日) 07時04分

はらやんさんこんばんわ♪

『恐怖は己の内にある』・・・ってなんかスターウォーズ辺りで聞いたようなフレーズにも思えましたが、でも確かに恐怖を克服し無心のような状態になるってのはそう簡単に出来ることじゃない気はしますねぇ。アーサとかいうあの不気味な化け物を前にして『ヤバイ』って思わない方が難しいでしょうし・・^^;(汗

監督がシャマランなのにシャマランテイストがちょっと薄味に見えちゃったりしたのが自分もちょっと残念ではありましたが、ただ恐怖の克服や過去のトラウマを乗り越えるキタイの成長物語を描いてる点は丁寧で面白かったとは思いますね。お決まりの展開も多かったですけど、それもまた特撮系で慣れっこですww

投稿: メビウス | 2013年7月 3日 (水) 03時34分

たいむさん、こんにちは!

動物の場合は未来予測をしているというわけではないと思うのですよね。
過去痛い思いをしたという過去の記憶に照らし合わせて、今の状況が酷似しているので避けるというような反応だと思います。
人が未来を予測するが故に発生してしまう恐怖、それをまたコントロールできるようになるというのも、また人の力なのかもしれません。

投稿: はらやん | 2013年6月29日 (土) 10時57分

本編ではなんだかさらっと過ぎていった感じでしたが、恐怖が未来予測に繋がっているって考え方は面白かったです。
まあ動物が危険しか察知しないかと言えば、痛みの体験から恐怖も学習しているだろうと思ったりもするのだけど、息子が覚醒する切っ掛けとしてはそこそこ説得力があったと思いました。

投稿: たいむ | 2013年6月26日 (水) 08時30分

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