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2013年6月29日 (土)

「ガリレオ(2013・ドラマ)」 人間味薄れた湯川のキャラクター

2007年にオンエアされたドラマ「ガリレオ」の続編となります。
主人公湯川学にはもちろん福山雅治さん。
相棒は内海刑事の柴咲コウさんから、岸谷刑事(吉高由理子さん)へバトンタッチ。
視聴率も好調だったようで、春のドラマではNo.1だったようですね。

僕は第1シーズンの作品はとっても面白く見れたので、第2シーズンもかなり期待していました。
期待度が高かったせいもあるのですが、作品としては第1シーズンのほうが面白かったように思いました。
ハードルが最初から高かったということが原因だとは思うのですが、いくつか気になるところもありました。
まずは主人公、湯川学というキャラクターが確立しすぎてしまっているということ。
「実におもしろい」とか「さっぱりわからない」とか、また事件を解決するときに数式を書き出すといった視聴者が期待するキメの部分はあるのが仕方がないとしても、キャラクターにある種のカタができているために意外性が少ない。
「水戸黄門」的になってしまったというか、そんな感じがします。
その一つの原因は相棒のキャラクターを変えてしまったというのもあるかもしれません。
第1シーズンの内海というキャラクターは、事件の解決を依頼するなかで、湯川という変人のなかにも意外と深い人間性や、男としての魅力みたいなものを感じていきます。
それは恋というほどには深くはないのでしょうが、そういった内海の視線を通して湯川という人物を人間味のある人物にしているように思いました。
また湯川のほうも内海に対して、憎からず思っているようなところもあり、その辺でも彼の人間性が感じられました。
しかしながら第2シーズンの岸谷というキャラクターは、内海と差別化する必要があったということもあるとは思いますが、湯川ー内海の間の人間味のあるやりとりは感じられません。
栗林さんじゃないですが、生意気な小娘刑事といった範疇から出られていないのですね。
そのため、湯川も物理学者として興味があるかどうかといったことだけで事件に絡むわけで、ある種の事件解決マシーンのような人間味が感じにくかったように思いました。
ストーリーは東野圭吾さんの原作をかなりアレンジして使っていて、それはそれで面白かったとは思います。
東野圭吾さんの「ガリレオ」シリーズは短編と長編があります。
長編は「容疑者Xの献身」「聖女の救済」「真夏の方程式」で、「容疑者Xの献身」は映画になりました。
映画「容疑者Xの献身」はドラマの雰囲気を踏襲するのではなく、逆に湯川の人間性をより強く出す作品になっていました。
今日から「真夏の方程式」が映画で公開されますが、おそらく同じような考え方で作られているでしょう。
原作はすでに読んでいますが、原作も湯川の科学への想い、そしてまた人への想いが強く現れている作品になっていました。
そのような湯川の人間性が映画でも出ているといいなと思います。
(ちなみに「聖女の救済」はシーズン2の最終回で前後編で映像化されました)

ドラマ「ガリレオ」の記事はこちら→
ドラマ原作「聖女の救済」の記事はこちら→
ドラマ原作「虚像の道化師 -ガリレオ7-」の記事はこちら→

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