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2013年4月 7日 (日)

「推理作家ポー 最期の5日間」 ミステリー好きのための

劇場で見逃したので、レンタルで観賞。
主人公は「モルグ街の殺人」などの作品がよく知られる、かの有名なエドガー・アラン・ポー。
彼は推理小説というジャンルを作った作家として知られています。
日本の推理小説作家江戸川乱歩の名は、エドガー・アラン・ポーをもじってつけられたというのは有名な話です。
僕はけっこう推理小説を読む方で、江戸川乱歩やコナン・ドイルあたりまではけっこう読んでいます。
ただ「モルグ街の殺人」など有名な作品でもポーの小説はまだ読んだことがないのです。
もちろん名前は知ってはいますが、その人となりもよく知りませんでした。
1849年にボルティモアで瀕死の状態で発見され、そのとき「レイノルズ」という意味不明の言葉を遺し、そして死亡したということも。
なぜ彼はボルティモアにいたのか、「レイノルズ」という言葉(名前)は何を指しているのかということは明らかにされず、その死は謎に包まれているようです。
本作は、その実際のポーの死で遺された謎を解き明かす内容となっています。
ということなので、この作品はポーの人となり、そしてその死の謎を知っている人が観ると、「なるほど、そう解釈したか」というように楽しめたのだろうなと思いました。
残念ながら、僕はあまり知らなかったので、その辺を楽しめなかったのが残念なところでした。
公開も終わっているのでネタバレさせちゃいますが、犯人はポーのファンでもある、新聞社の活字組工レイノルズ。
彼は作品をあまり発表しなくなったポーに作品を書かせるため、また自分の行為が彼の作品に反映されるということへの欲望のために、ポーの作品にちなんだ連続殺人事件を起こします。
作家等有名人への愛情が高まるあまり、彼らに対してストーキング的な行為に及ぶというのは、「ミザリー」「ザ・ファン」などの恐怖小説の定番の形式ですね。
また書き物にあわせて殺人事件が起こるというのもかなりの定番。
アガサ・クリスティーや横溝正史の作品でも歌に合わせて殺人事件が起こるということが描かれています。
そういう点で本作は推理ものの王道中の王道であると言っていいでしょう。
また「レイノルズ」は犯人の名前そのもので、それこそがポーのダイイング・メッセージでした。
ダイイング・メッセージということも推理小説ではよくでてくるキーワード。
また最初の殺人事件が起こるのもポーの小説でも描かれている密室殺人事件です。
このあたりの設定なども推理ものの定番です。
ミステリー好きにとっては定番の設定の中に、そのミステリーの開祖であるエドガー・アラン・ポーがいるというのが、興味深いところかもしれないですね。
ですので、本作はミステリー好き、なかでもポーの作品に触れたことのある人向けの作品なのかもしれません。
そうそう、この作品の原題の「The Raven」はポーの代表的な詩である「大鴉(The Raven)」と同じ。
作品中でも各所に鴉のモチーフが出てきました。
このあたりもポーに関してマニアックなところが出ていましたね。

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コメント

sakuraiさん、こんにちは!

おどろおどろしい感じ出てましたよね。
僕は家で観たので、映像がかなり真っ暗で、テレビの画面に映り込みがあって最初は「何が映っているんだ??」って感じでした。
劇場でもあんな感じだったのかな。
ポーの作品はミステリー好きのクセに一冊も読んでないので、今度機会があれば読んでみようかと思います。

投稿: はらやん | 2013年4月19日 (金) 17時24分

ですねえ。
ポーの作品を好きな人は、より楽しめる!って感じでした。
なんせ、ポーの作品なんて、小学校のときに、少年少女文学全集で読んだくらいなんで、なかなか・・。
いま読み返すと、なんか面白そうかもと思わせてもらいました。
おどろおどろしい雰囲気は、よーく出てましたね。時代の雰囲気に浸れたので、その点ではとっても良かったです。

投稿: sakurai | 2013年4月16日 (火) 12時08分

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