本 「二流小説家」
売れない小説家、ハリー・ブロックはあるとき、刑務所に収監されて死刑を待っている連続殺人鬼ダリアン・クレイからある依頼を受けます。
彼の自叙伝を執筆できることになるわけですが、そのためには彼のために小説を書くことを条件とされます。
その小説を書くために取材を続けると、その相手が次々にダリアンの手口で殺害されていきます。
ダリアンは刑務所から一歩も出ていない。
これは別の犯人なのか、そうするとダリアンは無実なのか。
そしてハリー自体も何ものかに狙われる・・・。
書店を流していて、ふと目について手に取った作品です。
上川隆也さんで映画化されると帯にありました。
ダリアンの手口はかなり猟奇的で、読んでいるとけっこうしんどいところも。
これ、そのまま映画化するのかな?
主人公のハリーは自分自身で一流ではないという自覚がある人物。
そのため、なんというかやる気がない、はたまた自虐的である側面を持っている人物です。
そのあたりはミステリーにおいて結果的には探偵役となる役割になる人物としては珍しいかもしれません。
ミステリーとしても2転、3転するのでおもしろくないわけでもありません。
でも、個人的には、夢中になって読んだという感じにはなりませんでした。
やはり主人公のある種の冷めた感じというところが気になったのかもしれません。
そこが本作のミソではあるのですが、そもそもそこのところが自分の性にはあっていなかったのかな。
「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン著 早川書房 文庫 ISBN978-4-15-179501-5
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