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2013年3月25日 (月)

「ビブリア古書堂の事件手帖」 剛力さんの栞子はアリ

久しぶりに毎週放送を楽しみに待っているというドラマでした。
ブログのタイトルでは映画としていますが、映画を観ることと同じくらいに本を読むことが好き。
出かけるときは、文庫と雑誌を必ず持って出歩いています。
ですので、本を題材にしたミステリーということで興味を持って、観始めました。
もちろん原作本の存在は知っていましたが、ドラマが始まるまでは読んでいませんでした(ドラマを観始めてから1巻めを読みました)。
ですので、今回の記事はドラマ版についてのレビューとなります。

まずこのドラマを語る上で避けて通れないのはキャスティングでしょう。
主人公の古書店主、篠原栞子を演じるのは剛力彩芽さん。
原作のファンの方は、イメージが全然違う!と言う方も多いでしょうね。
僕も原作の1巻を読みましたが、イメージは違いますよね。
原作の栞子は五浦よりも年上の設定に対し、ドラマは年齢不詳ですが、年上って感じではないですよね。
あと原作の栞子のビジュアルイメージは、本のイラストの影響が強いと思いますが、長い黒髪で、やせているけれど巨乳(笑)。
剛力さんは短髪ですし、それほど胸が豊かってわけでもない(爆)。
そもそも剛力さんはヤマザキのランチパックのCMのように元気ってイメージが強く、栞子の清楚で人見知りな感じとは真逆のようにも思います。
そういうことでドラマは原作小説とイメージが違いすぎ!って言う方もいらっしゃるでしょう。
けれど僕はドラマから入りましたが、剛力さんの栞子はアリだなと思って観ていました。
僕も剛力さんは元気一杯なイメージだけがあって、それほど演技は上手いとは思っていませんでした。
けれど本作で今までとは違うイメージの役をやっていましたが、僕は非常に上手く演じていたと思うのですよね。
微妙な表情とかも上手く出していたと思います。
そして剛力さんが演じているからか、ドラマの栞子は原作よりも意志が強く、また行動力もあるように思いました。
これはテレビドラマという媒体だから動かざるを得なかったということもあるでしょうが、原作とは違う栞子を上手く作れていたと思います。
ドラマを観てから原作の1巻を読んだら、栞子がずっと病院のベットから動かないので、逆に驚きました。
また原作の栞子は本に関してと、そうじゃないときに、二面性を強く出している感じがありました。
小説、アニメだとこのギャップはありかと思いますが、ドラマだとこの二面性を出し過ぎるとややマンガくさくなってしまう。
ですので、ドラマの栞子は一貫して本に対して一途で、それに対して強い意志と行動力を持っている人物として描かれたように思います。
剛力さんの栞子に長く語ってしまいましたが、他の部分に目を向けてみましょう。
原作は本を題材にしたミステリーとして、とても面白いところに目を向けている作品だと思います。
各エピソードが、本好きにはたまらないネタに詰まっています。
そのネタを使いながら、ドラマ版はもっと登場人物に深みを与え、まさにドラマにしているんですね。
あと前半は栞子の本への執着、そして後半は母親との関係を縦軸にして1クールを一繋がりとしてうまく構成しているのもうまくできているなと思いました。
ドラマを観てから原作を読むと、ややライトノベル的な薄さみたいなものは感じました。
それは人物の描き方の浅さによるものだと思いますが、それをドラマ版は厚みを出していました。
ミステリー的な味付けについてもドラマ版の方がより凝って作っていたと思います。
人物の描き方、ミステリー的な味付けが思いのほかしっかりしていて毎回楽しみに観ることができました。
こう書くと、ドラマの方が良くて、原作ダメと言っているように思う方もいるかと思いますが、違います。
小説は、本を題材にしたミステリーという発想自体がとてもユニークだと思います。
ネタとなっている作品とそれに関わる謎の根幹も原作を元にしているわけで、それが面白いからこそドラマも面白くなったと思います。
ただし小説は小説という媒体、ドラマはテレビという媒体を使って伝えるわけであって、その媒体に合わせた表現方法になるべきです。
そういう点でドラマ版は原作の良さをうまくテレビという媒体に合わせて変換したと言えると思います。

そうそう。
上で書いたことと全然関係ないですが・・・。
ドラマに登場する藤波さんというキャラがけっこう好きで(ドラマのオリジナルかな)。
この人だけが突拍子もなくて、ある種のコメディパートを受け持っているわけですが、ドラマでのアクセントになっていたと思います。
藤波さんが出てくるとなにかニンマリしちゃうんですよね。

原作小説「ビブリア古書堂の事件帖 -栞子さんと奇妙な客人たち-」のレビューはこちら→

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