「牙狼<GARO>~蒼哭ノ魔竜~」 創作へのこだわり
「牙狼<GARO>」シリーズの最新の劇場版となります。
2011年10月〜2012年3月まで放映されていたテレビシリーズ「牙狼<GARO>〜MAKAISENKI〜」の直後の話になります。
「MAKAISENKI」はこのシリーズの集大成的なところもありましたので、本作は劇場版といっても番外編的な位置づけかもしれません。
主人公鋼牙の任務であるホラーを倒すことではなく、テレビシリーズのラストで出てきた「約束の地」での「嘆きの牙」の探索が描かれます。
本作の舞台はほぼこの「約束の地」となっており、背景の世界はCGなど特殊技術で作られたものとなります。
まさに雨宮監督のイマジネーションが爆発したという感じになっております。
ストーリーは「GARO」シリーズとしては特に驚くような工夫がされているわけではありません(どちらかと言えば退屈)。
どちらかと言えば、雨宮監督の創造性、創作力を観るという楽しみ方ではないでしょうか。
雨宮監督の作る世界観はもともと線が多い密度の高いものであったりします。
「GARO」シリーズ自体はけっこう暗闇が舞台であったりするので、映像として光と影の加減でその密度感を出していたように思います(予算の関係上作り込みしきれないので映せないといこともあったのではと思ったりもします)。
しかし本作は「約束の地」という舞台になり、基本的に明るい場所となって、その密度感を色彩で出そうとしているように感じました。
今までの「GARO」シリーズに」比べて色彩的な密度があるのですね。
このあたりは劇場版ならではのチャレンジとして意識的に取り組んでいるのかなと思いました。
ただややアングルなどがけっこう単調だったりするところもあったりして、このあたりも予算かなと。
お話は人間が作り出したモノたちが話の中心になってきます。
これは人間の創造性をテーマにした話でもあります。
雨宮監督は昔から独自のビジュアルセンスで様々な映像表現を行ってきました。
デザインやイラスト、映像を見れば、これは雨宮さんだとわかるほどの個性があるんですよね。
そして原作ものが多い昨今の映画、テレビ業界の中で、オリジナル作品を作り続けています。
こういうところに雨宮監督の創作へのこだわりがあるように感じられます。
この創作という行為自体を本作はテーマにしているように感じました。
オリジナルにこだわる雨宮監督としてのメッセージだったのではないのかなと思いました。
4月からは鋼牙に代わり新しい主人公で「GARO」シリーズが放映されるようですね。
どのようになるんでしょう。
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