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2013年2月23日 (土)

本 「エンジェルフライト -国際霊柩送還士-」

今年の1月16日に日本人が巻き込まれるアルジェリアの人質事件が起こりました。
痛ましいことに7人の日本人の方が亡くなられてしまいました。
そのときの報道で、亡くなられた方のご遺体は政府専用機で日本に送られたとありました。
ふと思ったのは、他にも日本人の方が海外で亡くなられることがありますが、そのときはどのようにされているのだろうと。
そうしたとき、書店で目に入ったのがこちらの本「エンジェルフライト -国際霊柩送還士-」でした。
この本で取り上げられている会社がエアハース・インターナショナルというところでした。
エアハースは海外で亡くなられたご遺体を空港で受け取り、そちらを生前のように見えるようにエンバーミングし、遺族のもとに送り届けるという仕事をしています。
日本でこの業務を専業でやっている会社はエアハース1社だということです。
アルジェリアの事件もそうですが、海外で日本人が亡くなられる場合、事件や事故といったケースが多いわけです。
その場合、ご遺体は大きく損傷していたり、また海外での取り扱いがあまりよくなく時間の経過とともに痛んでいることが多いのです。
離れたところで肉親を亡くしたご遺族はそれだけで心理的ダメージがあるのに加え、ご遺体が観るも無惨な状態ではより悲しみを深くしてしまいます。
エアハースはそういった遺族の悲しみを少しでも和らげるために、ご遺体のエンバーミングをするのです。
映画「おくりびと」を観たときも思ったのですが、お葬式というものは亡くなった方のためということもあるのですけれど、残された遺族が気持ちの整理を行うための時間と考えていいかと思います。
亡くなられた方を前にして、喪失感を実感し、心の中で消化した上で、自分を生かしていくためのもの。
そのとき苦しみの表情が浮かぶご遺体よりは、安らかな顔をされたご遺体の方が、遺族は気持ちの整理がしやすいものなのです。
エアハースは設立してまだ10年程度の会社ですが、今までも僕たちが知っている海外での大きな事件・事故で亡くなった方のエンバーミングを行ってきたということです。
最近ですと、ニュージーランドのクライストチャーチでの地震、そしてまたシリアで亡くなった女性記者の事件など。
もしかするとアルジェリアの事件でもエアハースは遺族のために働いているかもしれません。
この本を読んでいる途中で、今度はグァムで日本人が巻き込まれる事件が発生しました。
こちらにもエアハースは尽力しているに違いありません。
報道で、グァムの事件の遺族の方の悲しむ姿を観ました。
その悲しみがエアハースの方々の力で少しでも和らげばよいなと思いました。
こういった見えないところで人々のために働く方々がいるということに感銘を受けました。

「エンジェルフライト -国際霊柩送還士-」佐々涼子著 集英社 ハードカバー ISBN978-4-08-781513-9

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