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2013年1月 6日 (日)

本 「鎮火報」

昨年「ロード&ゴー」という作品を読んで面白かったので、同じ作者、日明恩(たちもりめぐみ)さんのこちらの作品「鎮火報」と読みました。
この作品は「ロード&ゴー」に登場する人物が出ているサイドストーリーになります(こっちが本流か)。
「ロード&ゴー」は「救急」の話でしたが、本作は「消防」の話です。
ちなみにタイトルにある「鎮火報」というのは、消防車が走っているときに「チーン、チーン、チーン」と鳴らす合図のことです。
火災現場に向かうときは「ウーウー」というサイレンですが、「チーン、チーン、チーン」というのは火事が消火し終わって帰署するときの合図ということです。
本作を読むまで、まったく僕はあの鐘の音の意味を知りませんでした。
なので「チーン、チーン、チーン」という音を聞いたら、「火事が消火できたんだ。消防士の方ご苦労様です」と思ってあげてください。
「鎮火報」のことを知らないという自分も含め、あまりに世間はこういうことに対して無関心なのですよね。
この「無関心」が本作品のテーマの一つであります。
この作品は、放火の犯人は?動機は?というミステリーの側面、また主人公大山の成長の青春物語の側面、消防士のお仕事ものの側面といろいろな側面があります。
これらの要素がどれも中途半端ではなくしっかり描かれていて、かつバランスもいい作品だなと思いました。
でもその中でもテーマとしてあるのが先ほどの「無関心」だと思いました。
自分が火事のときは思いっきり頼るのに、消防車がサイレンを鳴らして交差点に入っていくのに道を譲らず横断歩道を渡る人がけっこういます(僕も先日、見ました)。
どこかで消防車の到着を待っている人がいるかもしれないのに。
自分ごとじゃなければ、無関心。
というより想像力がないのでしょうね。
ちょっと考えれば、さきほど書いたようにどこかで誰かが消防車の到着を待っているということは思いつくと思うんですけれど。
本作では「無関心」については「消防」の話だけではなく、「不法滞在外国人」についても触れています。
というよりかなり大きなテーマとなっています。
こちらについても自分の都合のいいことしか考えない、他人に対しての「無関心」が描かれています。
本作を読むといろんなことに「自分は関係ないから」と言うことが罪深いなと思いました。
この作家さんはそれほど有名じゃないのですけれど、注目かなと。
それほど多作な方ではないようなのですけれどね。

「ロード&ゴー」の記事はこちら→

「鎮火報」日明恩著 双葉社 文庫 ISBN978-4-575-51393-6

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