本 「氷菓」
こちらの作品、初めて電子書籍で購入して読んだ作品になります。
基本的には、僕はやはり読みやすいので紙の本派なのですが、電子書籍も便利ではありますよね。
家ではiPad、外ではiPhoneで読むというも可能なので。
うっかり本を持つのを忘れてでかけてしまった、なんてときは便利です。
さて作品について。
作者は米澤穂信さんで、この方の作品は「インシテミル」を以前に読みました。
しっかりとトリックや仕掛けをようしたミステリーを書かれる方だなと思いました。
でも古典的というわけではなくて現代らしさもある作品でした。
さて本作はミステリーではありますが、人が死ぬわけでもなく、何かが盗まれるわけでもありません。
この作品の舞台となるのは高校で、主人公奉太郎たちが所属する「古典部」が中心になります。
「氷菓」に続いて同じ登場人物でシリーズ化されているので、通称このシリーズは「古典部」シリーズと呼ばれていますね。
本作は「古典部」そのものの謎を解き明かすのが主軸になります。
中身は章ごとに短編的な構成にもなっていて小さな謎を解き明かしつつ、最後には「古典部」の謎を解き明かすという流れになっています。
主人公奉太郎が探偵役となりますが、よくある探偵役が好奇心旺盛なのに対し、この主人公は基本的には何もしたくないという受け身スタイルであるのがユニークなところかもしれません。
この主人公にいろいろ謎を持ってくるのが、「古典部」の部長であるえるという少女になるのですが、彼女が好奇心の塊のようなタイプなのですね。
奉太郎は「省エネ」に生きることが心情のタイプで、部活などに熱く打ち込む生徒たちをやや冷ややかに見ている若いのに老成しているような感じの少年です。
そういう彼ですが、えるたちに引っ張られていくように謎に関わるようになり、そのような中で興味をもって関わっていくのも悪くないかなと思うようになるといった青春もの的な要素もありますね。
ミステリーも謎自体は人死になどがでるものではないのですが、謎解きなどはしっかりとした論理が作られています。
本作は一言で言うと青春ミステリーという感じでしょうか。
こちらの作品はアニメ化もされているようですね。
今度観てみようかな。
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» 『氷菓』 [観・読・聴・験 備忘録]
米澤穂信 『氷菓』(角川文庫)、読了。
あちこちのBlogでお名前を見かけますが、本作がお初です。
軽めの学園ミステリー。
北村薫さんの作品を想起させますが、ちょっと感覚が違う感じ。
主人...... [続きを読む]
受信: 2013年6月 2日 (日) 20時49分
» 氷菓 [本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]]
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» 米澤穂信 「氷菓」 [こみち]
JUGEMテーマ:読書感想文nbsp;
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◆古典部 シリーズ
本書を読み、アニメは本書の内容を忠実に表現していることが
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分かりました。千反田えるの強いまなざしは、原作でも
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感じられますし、折木供恵の強引さは
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本書を読んでいて、ひしひしと伝わりました。
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ミステリー染みていて、学園ものの様な
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受信: 2013年6月 3日 (月) 21時48分
» 『氷菓』 米澤穂信 [本を読みましょ]
今回レビューを書くのは
米澤穂信さんの〈古典部〉シリーズ第1弾『氷菓』です。
◆あらすじ◆
神山高校に入学した折木奉太郎は、
姉・供恵の「姉の青春の場である古典部を守りなさい」という
アドバイス...... [続きを読む]
受信: 2013年6月 4日 (火) 17時41分
» 氷菓/米澤 穂信 [◆小耳書房◆]
「やらなくてもいいことはやらない、やらなくてはいけないことは手短に」自分のモットーを省エネとするホータローは、海外旅行中の姉の手紙により、古典部に入部することとなる。ホータロー以外入部するものはいないと思ったが、誰もいないはずの部室には、楚々とした、女学生というような古風な呼称を与えたくなるような千反田がいた。
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“省エネ”をモットー? 極力動かない。ムダなことはやらない。というわけだが、そういうヤツのためにか、周りはいい具合にホータローが石ころにならないように極力動かそうと... [続きを読む]
受信: 2013年9月 8日 (日) 13時45分
コメント
たいむさん、こんばんは!
僕も最初に「氷菓」のことを知ったのは、雑誌でのアニメの記事だったんです。
そのときは放映も始まってしまっていたあとなので、とりあえず原作を読んでみようと思いました。
アニメのほうも今度観てみますね。
投稿: はらやん | 2013年1月13日 (日) 22時05分
はらやんさん、こんにちは。
このシリーズのアニメはなかなかの出来なのでオススメです。
やや「萌え」重視になっているところもありますが、事件の概要とか奉太郎の思考(推理)とかがとても判り易く独特な映像表現になっているのがすごく良いんです。
エピソードの編集が上手いし、とにかく映像ならではの工夫が多いので是非見比べてみてくださいませ(^^)
投稿: たいむ | 2013年1月13日 (日) 20時31分