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2013年1月 3日 (木)

「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」 究極のお姫様物語

ここまで観たのだから最後まで観ないとな、ということで行ってきました「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」。
前作の「Part1」でとうとうヴァンパイアに転生したベラ。
そしてエドワードとの間にもうけた子、レネズミは「不滅の子」としてヴォルトゥーリ一族に狙われることとなります。

<ネタバレしますので、この先はご注意を>

「Part1」がずっとベラとエドワードがイチャイチャしていたのが、かったるくて、まどろこっしかったんですよね。
ま、このシリーズはずっとそうですが、特に前作はその傾向が強かったと思います。
それは主人公のベラが受け身的で逡巡しやすい性格であることにより、物語のドライブ力がないというのがあったかと思います。
しかし本作は彼女がヴァンパイアとなって特殊能力を身につけたからか、または子供ができてその子を守らなければならない母の気持ちがそうさせたのか、ベラがけっこう積極的な性格となっているのですよね(その分、エドワードの影がえらく薄くなっていますが)。
ベラのそういう変化によって物語のドライブ力は今までよりもでてきていたと思います。
最後のヴァンパイアVSヴァンパイア戦はそれなりに見応えありました。
本作のヴァンパイアはそれぞれが特殊能力を持っているという設定なので、このバトルはなんか「X-MEN」シリーズのX-MEN VS ブラザーフッドのような感じがしましたよ。
それなりに盛り上がって観ていたのですが、最後は「夢オチかよ〜」的な(正しくは夢オチじゃないけど、似たようなもの)のがっかり感が。
このへんのがっかり感はこのシリーズらしいと言えばらしい。
なんというか、ご都合主義で固められている感じがね。

さて、本シリーズを最後まで観てちょっとヴァンパイアについて考えてみました。
ヴァンパイア(吸血鬼)というのはそもそもブラム・ストーカーの「ドラキュラ」からメジャーになり、そして映画化などもされました。
その頃のヴァンパイアというのは基本的に「モンスター」なんですよね。
人間から見て恐怖の対象という存在なわけです。
そして近年、海外でも日本でもヴァンパイアというのは小説や漫画、映画の格好の存在なのですが、そこで描かれるヴァンパイア像というのが、昔のような「モンスター」的ではなくなってきているのです。
どちらかというと永遠の命を得てしまい、そして人の血を吸いながら生き続けなくてはいけないという、悲劇的な存在というような描かれ方をしている傾向があったように思います。
恐怖の対象として物語れることから、ヴァンパイアの主観で描かれるようになってきたかと思います。
永遠に生きるというのは福音ではなく、逆に永遠に生き続けなければいけないという悲劇と捉えられることが多くなってきたと思います。
ヴァンパイアが登場した頃、80〜90年代以降、どちらにしてもヴァンパイアとは忌むべき存在であるというのが基本線であったかと思います。
そこで本作を観て思ったのですが、本作においてヴァンパイアというのは基本的にネガティブな存在ではなくポジティブな存在として描かれているのです。
エドワードについては最近までのヴァンパイア的な悲劇性を身にまとっているのですが、ベラについてはそういう感じはほとんどありません。
というよりベラはヴァンパイアになることについてはシリーズでずっと積極的であったんですよね。
近年のヴァンパイアの悲劇性というのは永遠に続く苦しみからだったと思うのですが、このシリーズ、特にベラにとってはヴァンパイアになるというのは「永遠に愛が続く」ということを意味しているので、実は悲劇でもなんでもないわけなのです。
この作品は「Forever」という言葉で終わりますが、これはネガティブな意味合いではなく、幸福感なんですよね。
ようは「王子様とお姫様はずっと幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし」ということなんです。
女の子が好きなおとぎ話の結末と同じなんですよね。
この「ずっと」が「永遠に」なわけですから、恋する女の子にとってはこれ以上の幸せはありません。
そう考えるとこのシリーズがティーンの女子に世界中で人気がでたというのもわかります。
究極のお姫様物語なんですよね、このシリーズは。
そういう点においてこのシリーズは徹底しているなと最後に思いました。

「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1」の記事はこちら→

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コメント

sakuraiさん、こんばんは!

そうですねー、まさにご都合主義。
でも乙女からすると全部が自分を中心に回っている!ってところがやはりお姫様な感じでウケたのかもしれませんねー。
しかし、今回はエドワードの存在感がなかったような・・・。
女性は子供ができると、そちらが重要になるってことかな。

投稿: はらやん | 2013年1月17日 (木) 20時38分

本を読んでしまったので、感じたのですが、全編とにかくご都合主義!まさにそれです。
思いつきで書き始めたのはいいが、思ったより売れてしまい、話を続けていくうちに、どんどんと広げたのはいいが、おさめるためには、ご都合しかない!
それに乗せられたアタシらも考えもんですかね。
まあ、景気のためにも、こういう無駄遣いも大事だということにしたいと思います。。。

投稿: sakurai | 2013年1月15日 (火) 10時47分

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