本 「恋する空港 -あぽやん2-」
こちらの作品、新野剛志さんの「あぽやん」の続編になります。
ちょうど今週からテレビドラマもスタートしましたね。
主人公の遠藤には伊藤淳史さんはイメージ合っているかなと思いました。
さてこちらの作品「恋する空港 -あぽやん2-」ですが。
前作では空港勤務になった遠藤がいくつものトラブルを経て、一人前の「あぽやん」として成長していく物語でした。
本作では遠藤は一人前のスーパーバイザーとして後輩の指導にあたります。
遠藤が後輩の枝元にスーパーバイザーの心得などを言うところがあったりすると、「成長したなぁ」としみじみ。
とはいいつつも、空港では様々なトラブルが勃発し、遠藤は駆け回ることになるのは変わりません。
前作は成長物語としての要素が強かったですが、本作ではタイトルにもある通り、恋愛がひとつの中心になります。
遠藤のお相手は、前作にも登場した同僚の森尾です。
なかなか二人の気持ちが通じ合わずもどかしい感じがするのは、恋愛ものならでは。
あと本作を読んで思ったのは、登場人物の温度感の低さなんですね。
遠藤にしても、森尾にしても表面的にはけっこう温度が低い。
仕事に関しての誇りにしても、また恋愛にしても想いは強いのですけれど、それが表に出てこない。
いわゆる「お仕事系」の小説や映画というのはその想いが溢れ出てくる感じがするのですけれど(例えば「踊る大捜査線」の青島とかね)、本作はそういう感じではないのですね。
それでも淡白というわけではなくて、強い想いは感じるわけです。
このあたり表面的には淡白に見えるっていうのは現代の若者の感じが出ているかもしれません。
「恋する空港 -あぽやん2-」新野剛志著 文藝春秋 文庫 ISBN978-4-16-779502-3
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