「ダイ・ハード2」 やはり孤軍奮闘
クリスマス・シーズンになると観たくなるのが本作「ダイ・ハード2」。
シリーズ新作の「ダイ・ハード/ラスト・デイ」の予告編も劇場でかかり始めましたし。
ジョン・マクレーン役のブルース・ウィルスは最近は髪の毛がない状態がデフォルトの印象だったので、久しぶりに本作を観ると「まだ、フサフサじゃ〜ん」と思ってしまいますね(笑)。
1作目の「ダイ・ハード」は傑作だと思っていますが、この手の映画はだいたいシリーズ化するとレベルダウンしていくものです。
「ダイ・ハード」シリーズについては、3作目でやはりそういう感じになってしまったのですが、本作「ダイ・ハード2」は1作目をいい感じで踏襲しつつも、スケールアップして面白くなった珍しい例ですね。
前作より踏襲している点は
1.マクレーンはまたもや偶然に事件に巻き込まれてしまう。
2.限定空間で、人質をとられ、相手の正体がよくわからないままの状態で戦う。
ですね。
1がジョン・マクレーンがキャラクターとして確立することに強く影響を与えている気がします。
マクレーンがそれまでのマッチョ系ヒーローと異なることについては1作目の「ダイ・ハード」の記事で書いたのですが、それまでのマッチョ系より実感しやすい(共感しやすい)キャラクターとなっているのですよね。
本作でも「なんで俺ばっかりこんな目にあうんだよ」的なぼやきを連発しています。
マクレーンと言えばこの「ぼやき」なんですが、そのイメージが確立したのはこの2作目だと思うんですよね。
この「ぼやき」がマクレーンを身近な存在に感じさせてくれます。
あと2つめの限定空間の戦いが本作では1作目よりスケールアップしています。
1作目はご存知の通り、ナカトミビル内での戦いでしたが、本作では雪で閉ざされた国際空港となっています。
厳密に言うと限定空間ではありませんが、他に移動しにくいという意味で、そう言ってさしつかえないでしょう。
限定空間の意味あいというのは何かというと、マクレーンは外からの援護を受けることはできず、自分の知恵と体力を事態を打開しなくてはいけないということですね。
本作では援護をする者がいますが、空港警備隊は早々にご退場しますし、あとからやってくる部隊はアレですし、マクレーンが孤軍奮闘というのは変わりません。
この孤軍奮闘というのが「ダイ・ハード」シリーズの醍醐味のような気がします(だから3作目は「らしく」ないのだと思う)。
人質をとられているとか、相手の正体がわからないというのもマクレーンが孤軍奮闘しなくてはいけないことに結びついていると思います。
こういう「ダイ・ハード」らしさはしっかりと担保しつつ、映画としてのスケールをアップさせているというのが、「ダイ・ハード2」がよくできているポイントかなと思います。
改めて観てみると、無駄なところもなく、それぞれのシーンがその先へうまく繋がっていて、脚本としてもうまく構成されていると思うんですよね。
ポケベルとか、飛行機からの電話とか小道具も上手く使ってます。
そうそうポケベルなんですよね〜、この時代。
今だったらスマートフォンってところかと思うので、今の若い人が観たら「古っ!」とか思うのでしょうか。
ホリーの隣に座ってたおばあちゃんが飛行機からの電話について「Technology is wonderful」と言っていますが、今だったらもっとスゴいことになっていますよね。
とは言いつつ飛行機の中に無線機持ち込みは今じゃ無理だろとかね。
いろいろ時代を感じさせるところなどもあったりします。
ということで今の人が観るとどんな感想を持つか知りたかったりもしますが、楽しめる作品だと思うんですけどね。
| 固定リンク
コメント