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2012年12月 9日 (日)

本 「バスジャック」

「となり町戦争」「失われた町」の三崎亜記さんの短編集です。
最近だと「コロヨシ!」など毛色の違う作品もありましたが、本作は三崎さんらしさが詰まった作品ですね。
今までも三崎さんの作品のレビューで書いてきましたが、この方の作品は現在の日本のような場所を描いていつつも、そこに根本的に異なるルールを持ち込んで不可思議な世界にしてしまうという感じがありますね。
SF的とも言えますし、ファンタジー的とも言えますし、この不可思議さが三崎さんらしさであるような気がします。
強いて似ているものをあげるとすると、昔オンエアされていた「ウルトラQ」とか「怪奇大作戦」のような作品があげられるような気がします。
そういうテイストですので、三崎さんは短編もおもしろいに違いないと思い、手に取りましたが、その期待は裏切られませんでした。
本作では数ページしかない超短編も入っていますが、長さに関わらず三崎さんのテイストはうまくでているなと。
長編、短編に限らず、三崎さんの作品の魅力は不思議な世界観だけにあるわけではありません。
描かれる不思議な世界(「アンバランス・ゾーン」的な)に暮らす人々の情をしっかりと描くのが、ほんとうの三崎作品の魅力であるかと思います。
収録されている「しあわせな光」「ふたりの記憶」「送りの夏」などはそういう人の儚げな情を、やさしく描いているよい作品だと思います。
「アンバランス・ゾーン」的な不可思議さでぇあ「二階扉をつけてください」、タイトル作品でもある「バスジャック」も面白かったです。
三崎さんの作品は独特のテイストがあるので長編からだととっつきにくい方もいらっしゃるかと思いますが、本作品だと入りやすいかもしれません。

「バスジャック」三崎亜記著 集英社 文庫 ISBN978-4-08-746368-2

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» 『バスジャック』 [観・読・聴・験 備忘録]
三崎亜記 『バスジャック』(集英社文庫)、読了。 「バスジャック」というタイトルから、 乃南アサさんの『再生の朝』がイメージとして連想されて、 勝手に、真面目な小説だとばかり思い込んで読み始め...... [続きを読む]

受信: 2013年6月 6日 (木) 00時43分

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