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2012年12月23日 (日)

「ONE PIECE FILM Z ワンピースフィルム ゼット」 揺るぎない信念

「ONE PIECE」は2年前までまったくコミックもアニメも見たことはありませんでした。
超売れていて、話題になっているのは知っていましたが、今更手をだすのもという感じでした。
また「少年ジャンプ」の人気漫画をずっと引き延ばしていく「ジャンプ」のスタイルもあまり好きではないというのもありました。
しかし2年前に同僚に無理矢理押し付けられるようにコミックを貸され読み始めたのですが、ものの見事にこれにハマり・・・、結局全巻を大人買いすることに。
連載が15年にも渡り続くってのは人気があることで、それは延命云々というより、やはり作品に力があるのだなあと感心した次第でした。
とはいえ、アニメの方はまったく観ていないので、今回の映画は観に行くかどうかちょっと悩んだんですよね。
コミックを読んでいると自分のイメージありますし、ちょっとイメージと違うとどうかと。
今更長く続くアニメのほうに入れるかなと思ったりしました。
結果的には、観てみたらそれは杞憂であるとわかりました。
キャラクターの声もまったく違和感がなかったですね。
やはり長年このキャラクターをやっている方たちばかりですし、また原作者の尾田栄一郎さんもかなり絡んでいるということから世界観がブレていないということかもしれません。

コミックの「ONE PIECE」の魅力というと、ある種のケレン味のようなところがあります。
原作では擬音でよく「ドン!!」とか「バン!!」とかいうものがでてきたり、けっこう大胆なコマ割りをしていて(コミックを読んでいる人はわかるはず)、押し出しの強いケレン味が出ています。
初期の頃は別にして、1ページあたりの情報量が多く、そしてけっこう誇張した表現が多いのも特徴だと思います。
本作を観て思ったのは、そういったコミックの「ONE PIECE」らしさというのはアニメにとても相性がいいなということです。
コミックではさきほど書いたような誇張表現(かなりパースが効いた画)や大胆なアングルは、アニメでは早いカメラワークやカット割りのようなものでうまく表現をしていたと思います。

お話のほうでの「ONE PIECE」の魅力と言えば、その登場人物たちが自分の信念に基づき、生きているというところが描かれているということでしょうか。
主人公ルフィはその最たるものですが、それ以外のキャラクターもその通り。
麦わらの一味のメンバーがルフィを心の底から信じるというのもそうですよね。
そしてまた敵方に位置するキャラクターもそういった信念を持っている者がコミックでも何人も登場しました。
その心意気同士がぶつかり合ったりするわけですが、そしてルフィは相手のそういうまっすぐさを素直に認め、受け入れるわけですよね。
そして仲間になる者もい、そして敵としても互いに認め合う関係になったりもする。
本作に登場する敵役であるゼットもまさに信念に基づき動く者なわけですね。
ゼットの志は揺るぎなく、そして比類できないほど強い。
彼は海賊を追う海軍の将軍でしたが、あることをきっかけに海軍を離脱し、ネオ海軍と称し独自に海賊を追い立てます。
「正義」を背負う海軍は、やはり様々な思惑がありつつ、その「正義」も素直には実行できない。
その枠からゼットは飛び出したわけです。
対し、海賊であるルフィたちというものはおのれの信念以外には何も縛られるものはありません。
思惑から自由になったゼットとルフィはそれぞれの信念に基づきぶつかり合うのです。
そこには肉体の強さ、心の強さの両方が求められます。
戦い合いますが、二人には信念に基づき行動するという共通点があります。
「ONE PIECE」の魅力というのは、ルフィや本作のゼットに象徴されるような信念を力にする登場人物が描かれていることなのでしょうね。
泣ける話が多いというのもそのせいかもしれません。
テレビのアニメも観てみようかな・・・。
あまりに膨大な量でちょっと躊躇しますが・・・。
チョッパーの「嬉しくないぞ、コノヤロー」が可愛くてちょっと萌え。

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コメント

はまかぜさん、こんばんは!

98年からですか、もうファン歴は10年以上なんですね。
僕は一昨年くらいからなので、新参者です。
アニメは観ていなくってマンガだけだったので、こんなに海軍がしっかり描かれるのは初めてみました。
麦わらの一味だけでなくて、海軍のほうの今後も気になりますね!

投稿: はらやん | 2013年2月 1日 (金) 20時22分

こんばんは。
トラックバックありがとうございました。
私はワンピースは、98年頃(アーロンとの戦いの頃)にはまりだして現在に至ります。
ほんと、これだけ長く連載が続くのは人気のある証ですね。
「ONE PIECE FILM Z ワンピースフィルム ゼット」では、私は「世代交代」を強く意識させられました。
センゴク元元帥も2年の間に髪の毛が真っ白になっていましたし。
ルフィたち新世代の海賊達の活躍が楽しみです。
そして赤犬元帥のもと、生まれ変わったという海軍も気になるところですね。

投稿: はまかぜ | 2013年1月29日 (火) 19時23分

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