さて年末も押し迫ってきましたので、例年通りに今年の鑑賞作品の振り返りを行いたいと思います。
今年の観賞本数は111本で、けっこう頑張って観に行ったつもりですが、昨年の107本とそれほど変わらないですね。
だいたいこのくらいが年間で観賞する本数の限界でしょうか。
さて今年のベスト10を発表してみましょう。
この何年かは「圧倒的に1位はこれ!」というのがあったのですが、今年はそういうのがなく、けっこう悩みました。
ですので一応順位はつけていますが、かなり僅差であったと思ってください。
1.「桐島、部活やめるってよ」
2.「麒麟の翼~劇場版・新参者~」
3.「るろうに剣心」
4.「メランコリア」
5.「007 スカイフォール」
6.「ダークナイト ライジング」
7.「ドラゴン・タトゥーの女」
8.「ヒューゴの不思議な発明」
9.「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
10.「テルマエ・ロマエ」
1位は「桐島、部活やめるってよ」です。
これはもう構成の見事さでしょうね。
ある出来事をいくつかの視点で描き、それらが屋上でのシーンに収斂していくところの見事さったら!
中学生でもなく、大学生でもなく、高校生ならではの感覚。
なんとなく世の中がわかりかけてきていて「こんなもんなのかな」と思ってしまう感じ。
このようなかつて味わった感じのようなものを思い出させられた作品でした。
2位は「麒麟の翼~劇場版・新参者~」。
これはテレビシリーズ未見で観賞した映画です(その後、テレビシリーズは全部観ました)。
主人公である加賀は刑事ですから、事件を解決するというのが仕事ですが、彼の場合はその事件の背後にある人の真情というのも解きほぐしていきます。
加賀によって、人々の通じなかった想い、通じてほしい想いが、伝わっていくのに涙しました。
3位は「るろうに剣心」です。
これは日本のエンターテイメント映画の可能性を感じさせてくれる作品でした。
これだったらハリウッドのエンタメ映画と戦える感じがしましたね。
今までに見たことがないスピーディな殺陣は目を見張るほど。
また剣心役の佐藤健さんもはまり役でした。
「ハゲタカ」「龍馬伝」の大友監督さすがです。
来年の「プラチナデータ」にも期待したいです。
4位は「メランコリア」。
これをベスト10に入れてくる人はあまりいないのではないでしょうか。
鬼才ラース・フォン・トリアーの作品です。
ストーリーがどうのというより、映像と音楽とよって伝わってくるテーマ、考えるのではなく感じるという感じで、なぜか魂が揺さぶられました。
昨年の「ツリー・オブ・ライフ」と同じような感覚ですね。
こういう映画もアリです。
5位は現在も公開中の「007 スカイフォール」です。
長年続くシリーズというのはマンネリに陥りやすいものですが、ダニエル・クレイグの代になり、「007」シリーズは大きく変化をしました。
変わったばかりの頃は、「007」のボーン化のようにも言われましたが(自分か)、3作目にして新しい「007」シリーズは確立したと思っていいでしょう。
そしてそれに安易に胡座をかくのではなく、さらに変わっていこうとする意志が今回のMのエピソードからも伝わってきます。
6位「ダークナイト ライジング」
すごい作品なのですよ、この作品は。
シリーズ3作品を高いテンションで続け、そしてまたしっかりと物語に決着をつけるというのはなかなかできるものではありません。
じゃ、なぜこの順位なのかと。
やはり前作の「ダークナイト」の衝撃が強すぎたから、なんですよね。
7位は「ドラゴン・タトゥーの女」
これはデビット・フィンチャーの映像センスが最初から最後まで堪能できるというところでしょう。
映像としては陰鬱としていながらも、なぜかシャープ。
物語としてもずっと危険な予感、緊張感が続きます。
この映像と物語がシンクロしている感じがいい。
「セブン」のフィンシャーなので、何をしでかすかわからない緊張感が良いのですよね。
予告篇は今年のNo.1の出来だったと思います。
8位は「ヒューゴの不思議な発明」
予告で観たときの印象と違っていた作品。
スコセッシがファンタジー映画なんて、と思ったのですが、蓋を開けてみると映画愛に溢れた作品になっていました。
映画愛といえばアカデミー賞をとった「アーティスト」もありましたが、僕はこちらのほうが好き。
9位は「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
ようやく9.11にアメリカも整理をして向かい合えるようになったのかもしれません。
そしてこの物語で語られる話は3.11を経た日本にも通じるものがあります。
理不尽なことは起こってしまう。
そしてどうしようもない悲しみも。
でもそこから再生していかなくてはいけない、少年のそのプロセスに心うたれます。
10位は「テルマエ・ロマエ」
ばかばかしくテーマながら、手を抜かずに大真面目に作ると面白いという作品。
阿部ちゃんは「麒麟の翼」とこの作品がランクイン。
ローマ人に阿部ちゃんを起用したところでこの作品の勝利は約束されたようなもの。
市川正親さんはこの作品のテオドシウス、そして「のぼうの城」の豊臣秀吉と、天下人の役柄が続いていますね。
例年、印象が強いので後半の作品が多く入りがちなのですが、今回は前半の作品が多いですね。
正直2012年の後半の作品は「これは!」というのが少なかったような感じがします。
昨年に比べて邦画が多く入っていますね。
あと巨匠の作品も多いかな。
恒例ですので、ワースト5も。
順位はつけてませんが、なかでも「月光ノ仮面」は一番良くないと思います。
「月光ノ仮面」
「英雄の証明」
「おかえり、はやぶさ」
「ジョン・カーター」
「エイトレンジャー」
偶然にも「月光ノ仮面」と「英雄の証明」は主演監督作品ですね。
どうも客観的に演出できていないのではなかろうか。
「おかえり、はやぶさ」は3社が同じ企画だったので厳しいところもあったかもしれないですが、もう少しいろいろ考えてもよかったんじゃないと。
「ジョン・カーター」はハリウッドにありがちな、超大作の大失敗パターン。
「エイトレンジャー」は映画とは呼べない。
どうした堤さん?
来年はどんな映画に出会えるでしょうか?
では、また!
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