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2012年12月 8日 (土)

本 「さよならドビュッシー前奏曲 -要介護探偵の事件簿-」

最近のお気に入りの作家の中山七里さんの作品です。
本作は中山さんのデビュー作である「さよならドビュッシー」のシリーズの位置づけになりますが、タイトルに「前奏曲(プレリュード)」となっているように、「さよならドビュッシー」の前日譚となっています。
そして探偵役はシリーズの岬洋介ではなく、香月玄太郎という老人になります。
「さよならドビュッシー」を読んだ方はこのキャラクターはご存知であると思いますが、彼はその物語の序盤で姿を消します。
そもそも「さよならドビュッシー」の事件は彼の死を発端としているのですから。
すでに死することが決まっている人物が探偵役をするというのは珍しい設定ですね。
彼は車いす生活を余儀なくされている要介護者であり、そういう意味ではアームチェア・ディテクティブと思いがちですが、性格的にはアグレッシブであり、現場にも足を運ぶ行動派の探偵ですね。
岬洋介が非常に穏やかなタイプであるのに比べ、非常に攻撃的であるというのが対称的です。
本作は短編集となっており、そのタイトルはコナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」にちなんだタイトルとなっています。
最後の短編のタイトルは「要介護探偵の最後の挨拶」となっており、「シャーロック・ホームズ」へのオマージュもありつつ、このシリーズの時系列ではその直後になる「さよならドビュッシー」への結節点ともなっています。
タイトルが香月玄太郎のその後の運命を示唆していているのが、なんか切ないですね。
この短編ではその後の探偵役となる岬洋介も登場して、代替わりを示唆しています。
この作品はシリーズとしては時系列的には一番最初ですが、まずは「さよならドビュッシー」のほうを先に読むのをオススメします。
キャラクターのその後の運命を知っていると、本作で登場してくる人物たちの様子をより感慨深く読めると思います。

「さよならドビュッシー」の記事はこちら→

「さよならドビュッシー前奏曲 -要介護探偵の事件簿-」中山七里著 宝島社 文庫 ISBN978-4-7966-9562-6

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