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2012年11月24日 (土)

本 「玉村警部補の災難」

海堂尊さんの「白鳥・田口」シリーズのスピンオフというところでしょうか。
「ナイチンゲールの沈黙」から登場したデジタル・ハウンドドックこと加納警視正と、不本意ながらも彼の助手を務めることとなる玉村警部補が関わった事件、数編が収録されている中編集となります。
本編の白鳥もマイペースと言うか、他人を斟酌しない人物ではありますが、加納警視正もそれに負けず劣らず傍若無人。
振り回される玉村警部補が気の毒で、だからタイトルに「災難」とあるわけでしょう。
本作では4つ作品が収録されていますが、その間にはブレイクタイムのように田口と玉村の会話がはさまれているような体裁になっています。
それぞれ、白鳥、加納に振り回されている状態であり、この二人には何か共有できるものがあるのか、同時にため息をついたりするところが何かおかしいですね。
ラストの作品は、その後の桜宮サーガにも影響を与えるような感じもありました。
四国を舞台にした作品も書かれるかもしれないですね。
もう「ケルベロスの肖像」も出ていますし、さっさと読まないと。
海堂さんは書くペースが早いので、読むだけなのに置いていかれてしまいます。
本職もあるのに、すごいですよね。

「玉村警部補の災難」海堂尊著 宝島社 ハードカバー ISBN978-4-7966-8821-5

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