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2012年10月28日 (日)

「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」 良さはそのままに、いい具合に抑制

今年は「宇宙刑事ギャバン」の放映30周年ということで、まさかの単品での映画化です。
2月の「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン」での久しぶりの登場も驚きでしたが、まさかピンでの映画化とはなんともファンとしては嬉しい限り。
最近の方は東映の特撮ものといったら「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」しか知らないって方も多いのでは?
ところがどっこい、30年前に一世を風靡した「メタルヒーロー」シリーズがあったのです。
「メタルヒーロー」シリーズというのは正式名称ではなく、「宇宙刑事ギャバン」がヒットし、その後シリーズが作られるにあたり、そのメタリックなビジュアルが継承されていくのですが、それにちなんだ通称なのですね。
シルエットはシンプル、しかしそのメタリックな意匠は、それまでのヒーローにはまったくなかったもので、初めて「ギャバン」を観たときはインパクトを感じました。
ポール・ヴァーホーベンの「ロボコップ」のデザインは、「ギャバン」の影響を受けてますからねー。

まったくの新作となる本作を観た印象ですが、いろんな意味でシンプルで、いい具合に抑制された作品になっていると思います。
これが「ギャバン」っぽい。
最近の東映の特撮、特に映画は「仮面ライダー」にしても「スーパー戦隊」にしても、かなりインフレーションが進んだお祭り映画になっています。
お祭り映画はそれはそれで楽しいのですけれど、「ギャバン」的にはどうかと思ったりもしてました。
「ギャバン」のスペシャルフォームとか出てきたら、どうしようかと心配したりもしたんですけれど、このあたりはちゃんと製作者もわかってくれてたようで。
お話はいたってシンプルでわかりやすい。
ただそのまんまだと今やる意味というのが見いだしにくいわけです。
そこで今回の主役は、かつてのギャバンである一条寺烈ではなく、新米宇宙刑事である十文字撃に変わっています。
ここで取り入れらた設定が「ギャバン」が宇宙刑事のコードネームであるということ。
代々、「ギャバン」という名が受け継がれていくということなのですね。
新しい主人公、十文字撃になることで、彼にまつわる物語が描かれていく。
それが新作である意味となります。
烈の場合はかつてのテレビシリーズで彼の物語が決着ついているわけで、その後に登場してもどうしても「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン」のように脇になってしまうわけですよね。
この「ギャバン」コードネーム化というアイデアは、これからもこのシリーズを続けていくことができることを意味しています。
東映的にはアイデアヒットでしょうね。
十文字撃を演じるのは石垣佑磨さん。
僕は知らなかったのですが、けっこうアクションもいける方ですね。
烈は当時JACに所属していた大葉健二さんがやっていたわけですから、テレビの「ギャバン」は素面でのアクションもかなりありました。
本作もけっこういろんな場面で石垣さんはアクションをやっています。
あとなんとなく風貌も若かりしときの大葉さんを髣髴させるところもあり、いい感じでした。
そしてまだまだ健在の大葉さん。
「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン」のときも書きましたが、この年でアクションがキレキレです。
すごいです。
大葉さんが登場すると、スクリーンを通してなんだか温度があがる感じがします。
撃が「蒸着」する「ギャバン」はType.Gと呼ばれるもので、オリジナルの「ギャバン」とは目や胸の色が違うのですよね。
でもフォルムはほとんど変わらない。
新作となると違いを出すために、どうしてもゴテゴテとしたくなるところをガマンしながらも、現代風にスタイリッシュにしている感じがして、好感がもてます。
「ディメンションボンバー」とか「スパイラルキック」とか「ギャバンダイナミック」とか、このあたりは継承してくれてるところは嬉しいところ。
「サイバリアーーン!」とか「電子星獣ドルーー!」とかもね。
あと「蒸着プロセスをもう一度見てみよう」もね。
萌え〜。
レーザーブレードのところでは、宙明サウンドも健在。
現代風にアレンジされてましたけどね。
あの音楽が流れると、やはり萌え〜。
あとコム長官もご健在でした。

もともと持っている良さはそのままにして変えない。
変えないほうがけっこう勇気がいると思うのですよね。
「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」はインフレ化しているなかで、久しぶりに日本のヒーローらしいヒーローものを観たって感じがします。

シャリバンもシャイダーも出ていましたね。
シャイダーは好きだったんですけれど、本作に出てきたのは頭と体の大きさのバランスがいまいち。
ちょっとごつすぎ。
これがちょっと残念。

「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン」の記事はこちら→

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コメント

バラサ☆バラサさん、こんばんは!

僕はちょうど「ギャバン」がマイ特撮ブームの第2期でした(今、第3期)。
蒸着のシーンは当時観ていたときも「カッコいいな!」と思いましたねー。
ギャバンのデザインも含めて、それまでの特撮ヒーローのイメージを一新した作品だったと思います。

>「ヨッコラヨッコラヨッコラヨッコラ」
なるほど〜。
渡辺宙明さんっぽいところではありますけれどねー。
ギャバンのサウンドも宙明さんの音楽の中ではひとつのピークだった時期かなと思いますね。

投稿: はらやん | 2012年11月 1日 (木) 20時20分

>最近の方は東映の特撮ものといったら「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」しか知らないって方も多いのでは?

逆に最古寄りの人間ですが、スカイライダーくらいまでの「仮面ライダー」、電子戦隊デンジマンまでの「スーパー戦隊」までしか知らず(その後、オーレンジャーとかメガレンジャーを観たのですが)、ギャバンは、完全に空白の時代です。

「スーパー特撮大戦2001」なるゲームで初見だったのですが、蒸着のシーンには圧倒されました。

ただし主題歌は、最初のほうの伴奏が、「ヨッコラヨッコラヨッコラヨッコラ」と聞こえて、気が抜けます。

投稿: バラサ☆バラサ | 2012年11月 1日 (木) 15時15分

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