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2012年10月15日 (月)

本 「ロード&ゴー」

最近、いわゆるお仕事小説を多く読んでいるような気がする。
「トッカン」は税務署職員、「消防女子」は消防士。
本作「ロード&ゴー」でスポットがあてられるのは救急隊員です。
こちらの作品を読んで初めて知ったのですが、消防車と救急車の台数っていうのは圧倒的に消防車のほうが多いんですね。
消防車はいろいろなケースに合わせて車輛が特殊化されているというのはあるようですが、やはり「消防署」というのは消防がメインであるから、どうしても救急車まで手が回らないというのが実情のようです。
救急に関しては現在、様々な問題がでています。
いわゆるたらい回し問題などもそうで、本作でもその問題については大きく触れられています。
これは行政側の問題ですが、利用者側の問題もあります。
救急車を呼ぶほどの病気や怪我ではないのに、タクシー代わりに救急車を読んでしまう市民が多くいるようです。
これが何が問題かと言うと、先に書いたように救急車の台数というのは限りがあり、軽症・軽傷の方に時間を取られている時に、別の重症・重傷の方に手が回らないということが起こっているようです。
こういう様々な問題がでているわけですから、市民の風当たりも強いわけで、消防隊員は本来の業務以外にもいろいろと気をつかわなければいけないようなのですね。
それはお仕事小説で取り上げられる仕事(多くは公務員が多い)に共通していることです。
市民の目線は厳しく、どちらかというと些細なことでもクレームとなってしまう。
なんとなく憎まれ役になっている感じもあり、その仕事をしている人もまいってしまうところもあるでしょう。
でも彼らがそういう仕事でも懸命にやっているのは、その仕事に誇りを持っているからなのですね。
多くのお仕事小説では、その仕事に対しての登場人物の誇りが描かれます。
本作も救急車の機関員生田、救急救命士の森らのそれぞれの誇りと仲間意識が熱く語られます。
いくつものトラブルを彼らは誇りと仲間意識で越えていくのです。
本作はそういう彼らの仕事への熱意を描くだけでなく、タイムリミットサスペンスの要素を持っています。
時間を決められ指定の病院まで行かないと救急車に取り付けられた爆弾が爆発してしまう。
犯人の一味に刺されてしまった救急隊隊長の命は助かるのか、救急車のガソリンは最後までもつのかなど、映画「スピード」ばりに次から次へとトラブルが巻き起こり、読んでいて飽きません。
そういったサスペンスを楽しみながら、誇りを持って仕事をしている救急隊員のことを考えてみたらいかがでしょうか。

「ロード&ゴー」日明恩著 双葉社 文庫 ISBN978-4-575-51521-3

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» ロード&ゴー/日明恩 [本と映画、ときどき日常]
著者の名前は「たちもりめぐみ」と読みます。 性別はどっちねんろ(笑 ストーリーは救急車がハイジャックされるお話です。 ちょっと不発でした(汗 軽いというか、全編に渡って緊張感がありません。 動機もあまりにもありふれたもので残念。 目の付けどころは好...... [続きを読む]

受信: 2013年11月18日 (月) 02時03分

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