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2012年8月12日 (日)

本 「プリンセス・トヨトミ」

映画化もされた万城目学さんの「プリンセス・トヨトミ」を読みました。
小説と映画が大きく異なるのは、大阪に乗り込む会計検査院の鳥居とゲーンズブールの性別が逆になっているということですね。
映画では鳥居が女性(綾瀬はるかさん)で、ゲーンズブール(岡田将生さん)が男性。
小説では鳥居が男性、ゲーンズブールが男性になっています。
この性別チェンジは大きな意味がありますね。
映画は、大阪国に大きく関わる真田親子、そして会計検査院の松平について、父親と息子の関係にスポットが大きくあたっていました。
それに映画版ではゲーンズブールがなぜ事件に関わるのかが男性であるからこそ意味があるようになっています。
映画については、父親と息子というところにかなりフォーカスがあたっていたように思います。
こちら小説については、万城目学さんの他の作品と同様、ありえない設定を元にしたなじみがあるのだけど何か不思議な大阪が、様々なキャラクターを通して描かれます。
ここでは鳥居が万城目さんの作品にいつもいるような狂言回しのような役回りを与えられています。
こういう結果的にかき回してしまうキャラクターというのは、万城目さんの作品にはよく登場しますよね。映画では大阪国が立ち上がったとき、その参加者についてはほぼ触れられなかったと思いますが、小説ではそのあたりは丁寧に触れられています。
こういうことができるのは小説ならでは。
映画はこういうところは思い切って省いているため、逆にさきほど振れた真田親子や松平の父親・息子の関係にしっかりとフォーカスされているように感じました。
このあたり映画ではある程度テーマを明確にしてシャープにしようとする意図が伺われ、それは成功しているように思います。

映画「プリンセス トヨトミ」の記事はこちら→

「プリンセス・トヨトミ」万城目学著 文藝春秋 文庫 ISBN978-4-16-778802-5

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