「ローマ法王の休日」 法王の結論
ローマ法王が亡くなった後に、次の法王を枢機卿たちが選ぶ会議のことを「コンクラーベ」というのを知っている方も多いでしょう。
ダン・ブラウン原作のトム・ハンクス主演の「天使と悪魔」でも題材になっていましたよね。
「コンクラーベ」は枢機卿の2/3の票がとれないと法王として選出されないという仕組みのため、数日間に及ぶこともあるそうです。
まさに「根比べ」ですね。
さて本作はその「コンクラーベ」で次期法王候補としては名前が通っていなかったメルヴィルが選ばれてしまったことから始まります。
メルヴィルは謙虚で真面目で、ガツガツした上昇志向などはない人物です。
この「コンクラーベ」の場面で驚いたのは、次期法王として下馬評が高かった他の枢機卿を含め、皆が法王に選ばれたくないと思っているという描写があったことです。
普通映画等では登場人物は上昇志向があり、まさに権力欲と言われるように、それが物語のドライブ力になっていることが多いです。
上昇志向は「他人を蹴落としてでも」といったマイナス面で描かれることも多いですが、「アメリカンドリーム」的な健全な上昇志向というのは基本的にみなポジティブな印象をうけるでしょう。
ですので、上昇志向というものは「あって当たり前」なものとして映画、そして現実世界でも思われていることが多いかもしれません。
しかし、ほんとに皆が上昇志向というものを持っているのでしょうか。
本作の「コンクラーベ」に挑む枢機卿たちはみなそういった上昇志向はありません。
というより法王職というものが、非常に責任が重く、とても背負いきれないものであると思っているのかもしれません。
確かに法王という職は、一度なってしまったら終身ですし、その発言はキリスト教界だけではなく、他宗教、そして政治等にも影響を与えてしまうものです。
その職についた人が背負う責任というのは計り知れないものです。
それが「死ぬまで」続くのです。
どこかの国の総理大臣のように途中で放り出すこともできないわけですね。
その重圧たるや・・・。
どちらかというと職種というよりは、天皇や王といったような「機関」としての機能を持っているのかもしれません。
天皇や王は生まれた頃からそうなるように教育されていますからそういった職(?)につく覚悟があるかと思いますし、また大統領や総理大臣といった職も自らの意志で立候補するわけですからやはり覚悟はあるわけです。
しかし本作の法王については、クラスの学級委員長のようにみなで押し付けあうような感じで、責任ある職を任じられてしまうわけです。
結果的に法王職は押し付けられるような形で、自分でも向いていないと思っているメルヴィルに渡ってきてしまいました。
しかし真面目なメルヴィルは選ばれたからこそ、それを受けなければいけないと初めは思いますが、信者の前でスピーチをする直前になると、自分にはできないと言って逃げ出してしまいます。
メルヴィルを診断する精神科医はかれにうつ病の症状があると言います。
これはすごくわかるのです。
出世競争と良くいわれるのは、皆が上昇志向があるというのが前提です。
でもほんとにみんなが上昇志向を持っているのでしょうか。
個人的には社長になりたいとか、偉くなりたいというのは、あまり持っていないのですよね。
どちらかというと自分の力が発揮できて、やりがいのある仕事をしたいと思うほうです。
この気持ちは偉くなりたいとかいう気持ちとは違うのですよね。
でも、以前自分の畑とまったく違う仕事をすることがありました。
別段自分から望んだわけでもなかったのですが、組織としてもそういう経験をして力をつけてほしいということを言われ、期待してくれるのならば応えなければいけないと思ったのですね。
けれどやはりやってみると自分のやりたいこととなにか違う。
でも受けたからにはやらなければいけない、でもなかなか周囲の期待に応えられない。
そういう悶々とした状態を続ける中でやはりメルヴィルと同じような状態になりました。
逃げ出している状態のとき、やはり考えたのは自分がほんとにやりたいことは何なのか、どうありたいのか、そしてどのようにすれば自分の力を最大限に発揮し会社に貢献できるのかといったことでした。
そのときに悩んだ末に自分なりのあり方というものは今では持つようになりました。
自分が持っているスキルを最大限に活かし、他の人では代われないほどにその能力を高めていくということ。
そうすることによって自分がやりたいことと周囲の期待をうまく摺り合わせるということができるようになったかなと思います。
だから、本作で最後にメルヴィルが出した彼の結論は、個人的には非常に共感性が高いものでした。
責任感だけで仕事をし続けることにはやはり無理があります。
個人の努力だけでは越えられないものがあるのです(越えられる人もいるかもしれませんが)。
責任感に加え、自分自身が活かせるような仕事でないとそれは長続きできないのです。
アメリカ映画を見慣れた方からすると、アメリカ的なハッピーエンドではないことに違和感を感じるものかもしれません。
けれど意外とこういった結論をだしたメルヴィルの勇気(あれは勇気だと思う)に頷く人も多いのではないかなと思ったりもします。
別の畑の仕事を経験したことは、結果的には今の自分のスキル・仕事に活かされていて、そのときは辛かったのですが、そういうことを進めてくれた上司と会社には今では感謝しています。
| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「ローマ法王の休日」 法王の結論:
» ローマ法王の休日 [象のロケット]
ローマ法王の死去により、新しい法王選出(コンクラーヴェ)のためヴァチカンに集められた各国の枢機卿たち。 彼らは皆、自分が選ばれないようにと心の中で祈っていた。 それでも新法王に選ばれてしまったメルヴィルは、あまりのプレッシャーからローマの街に逃げ出してしまう! 聖ペドロ広場には民衆が集まり、世紀の瞬間を心待ちにしていたのだが…。 シニカル・コメディ。 ≪神さま、ごめんなさい。 少しお暇を頂きます。≫... [続きを読む]
受信: 2012年8月12日 (日) 15時33分
» ローマ法王の休日 [そーれりぽーと]
軽くてほのぼのとしたタッチのコメディーのように思える劇場予告編で楽しみにしていた『ローマ法王の休日』を観てきました。
★
予告編作った人が恨めしい程に、予告編から受けた印象とは違う、新法王の苦悩と翻弄される周囲を描いた重苦しい映画でした。
正確に書くと、...... [続きを読む]
受信: 2012年8月13日 (月) 10時14分
» ローマ法王の休日 / Habemus Papam [勝手に映画評]
ローマ法王死去を受けて行われたコンクラーベで新しいローマ法王が選出された。しかし新法王は、就任の演説をすっぽかして、ローマの街へ逃げてしまう・・・。
原題の『Habemus Papam』とはラテン語のようで、「法王が決まった」見たいな意味らしいです。で、邦題の『ロ...... [続きを読む]
受信: 2012年8月13日 (月) 21時30分
» 『ローマ法王の休日』 [ラムの大通り]
(原題:Habemus Papam)
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----この映画のタイトルって、
奇をてらいすぎてニャい。
あの有名な映画をパクってる。
「一見、そう見えるよ...... [続きを読む]
受信: 2012年8月13日 (月) 21時53分
» ローマ法王の休日 (試写会) [風に吹かれて]
神の思し召しじゃないの?公式サイト http://romahouou.gaga.ne.jp7月21日公開監督・脚本: ナンニ・モレッティ 「息子の部屋」ローマ法王が逝去し、次の法王を決めるコンクラー [続きを読む]
受信: 2012年8月13日 (月) 23時20分
» ローマ法王の休日 [あーうぃ だにぇっと]
ローマ法王の休日@シネマート六本木 [続きを読む]
受信: 2012年8月15日 (水) 09時12分
» 『ローマ法王の休日』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「ローマ法王の休日」□監督・脚本 ナンニ・モレッティ□キャスト ミシェル・ピッコリ、イエルジー・スチュエル、レナート・スカルパ、ナンニ・モレッティ■鑑賞日 8月11日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0...... [続きを読む]
受信: 2012年8月16日 (木) 12時13分
» ローマ法王の休日 [こんな映画見ました〜]
『ローマ法王の休日』---HABEMUS PAPAM---2011年(イタリア)監督:ナンニ・モレッティ出演:ミシェル・ピッコリ、イエルジー・スチュエル、ナンニ・モレッティマルゲリータ・ブイ
ある日、ローマ法王が逝去した。
システィーナ礼拝堂には各国の枢機卿が集結...... [続きを読む]
受信: 2012年8月16日 (木) 17時11分
» 『ローマ法王の休日』 [・*・ etoile ・*・]
'12.07.24 『ローマ法王の休日』@TOHOシネマズシャンテ
実は『ダークナイト ライジング』ジャパン・プレミアの前日に見に行ってた(笑) 仕事があまりに順調に終わって、定時上がりできそうな勢いだったので、ポイントもあるし映画でも見に行こうと思い立つ。シャンテなら歩いて行けるし、ギリギリだけど17:30からの間に合いそう! ってことで、見に行ってきた~★
*ネタバレありです!
「前ローマ法王が亡くなったため、新ローマ法王を選ぶコンクラーヴェが行われているヴァチカン。重責を負いたくない枢... [続きを読む]
受信: 2012年8月28日 (火) 02時06分
» ローマ法王の休日 [映画の話でコーヒーブレイク]
チラシを見て面白そうなので、早速映画館に行ってきました
こんな映画作っちゃっていいんですかね?
バチカンからクレームはこないんでしょうか?
次期法王や枢機卿(カーディナル)たち。ローマカトリック教会の頂点に立つ方々なのに・・・。
何だかカワイイおじいちゃ...... [続きを読む]
受信: 2012年8月30日 (木) 23時03分
» 「ローマ法王の休日 」 [ヨーロッパ映画を観よう!]
「Habemus Papam」…aka「We Have a Pope」2011 イタリア/フランス
ローマ法王/メルヴィルに「昼顔/1967」「美しい諍い女/1991」「ランジェ公爵夫人/2007」のミシェル・ピッコリ。
ヴァティカン報道官に「「カイマーノ/2006」のイエルジー・スチュエル。
グレゴリー枢機卿に「イル・ポスティーノ/1994」のレナート・スカルパ。
精神科医/女に「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「題名のない子守唄/2006... [続きを読む]
受信: 2012年8月30日 (木) 23時04分
» ローマ法王の休日 [映画と本の『たんぽぽ館』]
広場の階段でアイスは食べないけど
* * * * * * * * *
今作は予告編を見て、絶対見ようと思いました。
大観衆の前で話すのが嫌で逃げ出すローマ法王の話とは・・・!
しかも、題名が「ローマの休日」をもじって...... [続きを読む]
受信: 2012年9月 9日 (日) 17時11分
» ローマ法王の休日 [迷宮映画館]
うーーーーーん。。。 [続きを読む]
受信: 2012年10月 1日 (月) 19時29分
» ローマ法王の休日 [とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver]
メルヴィル自身の人生再生の物語であるのと同時に、観客も同じ体験ができる内容になっている。どんなに格好つけて、地位がある人でも怖いものがある。押し潰されそうなときは誰にでもある。枢機卿たちがグループに別れてバレーボールをする。その生き生きとした表情がすばら... [続きを読む]
受信: 2012年10月30日 (火) 23時25分
» 「ローマ法王の休日」みた。 [たいむのひとりごと]
ハートフルコメディとうたった愉しげな予告編と、『ローマ法王の休日』というパロディめいた邦題にすっかり騙されて鑑賞。しかし、実際は爽快感はないわ、心は温まらないわ、どちらかというとブラックユーモアの類に... [続きを読む]
受信: 2012年11月11日 (日) 17時02分
» ローマ法王の休日 [ルナのシネマ缶]
新しい法王を選出する
コンクラーべは「天使と悪魔」で
すっかり有名になった気がしますが
実は、ほとんどの枢機卿は
法王には選ばれたくないのね〜。
(現実はどうかわかりませんが・・・)
最も有名なカウンセラー?として
監督本人も登場してます。
ローマ法王が亡くなり、世界各国から枢機卿が集う。
全員が心の中では法王に選ばれないようにと祈る中、
予想外だったメルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が
新法王に選出される。群衆たちを前にバルコニーで
就任演説をしなくてはならないメルヴ... [続きを読む]
受信: 2012年11月19日 (月) 01時12分
» 映画『ローマ法王の休日』を観て [kintyres Diary 新館]
12-64.ローマ法王の休日■原題:Habemus Papam■製作年・国:2011年、イタリア・フランス■上映時間:105分■字幕:岡本太郎■観賞日:8月4日、TOHOシネマズシャンテ
□監督・脚本・精神科医:ナンニ・モレッティ□脚本:フランシェスコ・ピッコロ、フェデリカ・ポント...... [続きを読む]
受信: 2012年11月24日 (土) 18時36分
» ローマ法王の休日 [悠雅的生活]
就任会見。保育障害。かもめ。 [続きを読む]
受信: 2012年12月10日 (月) 23時02分
» 『ローマ法王の休日』(2011) [【徒然なるままに・・・】]
法王逝去に伴い行われたコンクラーヴェでは、何人かの有力候補者に票は集まるものの、なかなか一人に絞り込まれない。だが何度目かの投票の際にようやく新法王が決まるのだが、それは下馬評にも上らないような人物だった。そして当の本人はあまりのプレッシャーに押しつぶされてしまい、遂にはヴァチカンから逃亡してしまう・・・。
邦題は『ローマの休日』に引っ掛けたものだが、てっきりドタバタ・コメディかと思って見ていたら、まるで予想と違う展開にビックリ。色々なエピソードが並行して描かれるけれど、それが上手く噛み合って... [続きを読む]
受信: 2013年2月23日 (土) 19時39分
» ローマ法王の休日 [映画感想メモ]
選ばないで。神様、絶対に私だけは選ばないで! いい加減あらすじ 新しい法王を決め [続きを読む]
受信: 2013年2月25日 (月) 06時40分
» 『ローマ法王の休日』 映画が楽しめない、という人に [映画のブログ]
【ネタバレ注意】
ローマ法王は、かつてローマ帝国の首都だったローマの司教である。
数あるキリスト教の教会の中でも、ローマ・カトリック教会はもっとも信徒が多く、その数は11億人以上と云われる...... [続きを読む]
受信: 2013年3月14日 (木) 01時24分
» ローマ法王の休日 [ダイターンクラッシュ!!]
2012年7月31日(火) 20:00~ TOHOシネマズ シャンテ1 料金:0円(フリーパスポート) 『ローマ法王の休日』公式サイト フリーパスポート21本目。 そのタイトルと予告編から「英国王のスピーチ」のような笑いありの感動作と勝手に推定。 ところが、重苦しく話が進む。法王に選出され、いきなり鬱になってしまったようだ。 バチカンを抜け出した法王の休日の様は、少々今後の展望を期待させるものであったが、ブック破りで奈落式バーニング・ハンマーを食らったような衝撃のラスト。 笑いを取る以外に... [続きを読む]
受信: 2013年3月17日 (日) 19時22分
» ローマ法王の休日 [いやいやえん]
「神様、一生のお願いです。どうか私が選ばれませんように―。」コンクラーヴェ(ヴァチカンで開催される法王選挙)において、システィーナ礼拝堂に集められた各国の枢機卿たちは、全員が必死にそう祈っていた…!(笑)
聖職に身を置いて目指す最終地位といえば法王なのかと思いきや、違うんですね。そう、重圧と責任、人権がある意味なくなるその職をめぐり、心の中では苛烈な争いが生まれてるのです。まあーある程度の地位まで上り詰めて、余生は自由に生きたいというのもわからないではないですね。
そこで選出されたの... [続きを読む]
受信: 2013年3月18日 (月) 09時18分
» ローマ法王の休日 [ダイターンクラッシュ!!]
2012年7月31日(火) 20:00~ TOHOシネマズ シャンテ1 料金:0円(フリーパスポート) 『ローマ法王の休日』公式サイト フリーパスポート21本目。 そのタイトルと予告編から「英国王のスピーチ」のような笑いありの感動作と勝手に推定。 ところが、重苦しく話が進む。法王に選出され、いきなり鬱になってしまったようだ。 バチカンを抜け出した法王の休日の様は、少々今後の展望を期待させるものであったが、ブック破りで奈落式バーニング・ハンマーを食らったような衝撃のラスト。 笑いを取る以外に... [続きを読む]
受信: 2013年3月20日 (水) 18時46分
» 【映画】ローマ法王の休日 [★紅茶屋ロンド★]
<ローマ法王の休日 を観ました>
責任感の重圧に、あなたは耐えられるか…?
原題:Habemus Papam
製作:2011年イタリア・フランス合作
人気ブログランキングへ
予告を見て、”騙された~”と思う人も少なくないだろうな。
私もその一人。笑い満載のコメディだと思っていたけど、実は重くのしかかる「法王」という責任感に押しつぶされそうになるひとりの男性の姿を描いています。
ローマ法王が死去し、次の新しい法王を選出するための”コンクラーヴェ”が行われる為に各国の枢機卿がバチカンに集... [続きを読む]
受信: 2013年3月24日 (日) 10時40分
» ローマ法王の休日 [foggyな読書]
イタリア映画です。
映画館が小さいということもあるけれど、レディースデイに上映開始の2時間前に行ったら、もらった整理券は30番目。立ち見も出るほどの盛況でした。
ローマ法王に選ばれた人が「私にはどうも」と言い出し、周囲が翻弄される。
さすがイタリア映画。
映像的に真実味がある。ロケ地も大道具も小道具も衣装も。他の国ではできない。
第一、イタリア語じゃなくちゃ話になりません。
でも、『ローマの休日』みたいな映画を期待していくとがっかりすることでしょう。
あんなロマンチック... [続きを読む]
受信: 2013年5月18日 (土) 09時29分
» ローマ法王の休日 [Heaven of the Cinema]
神に選出された男、のはずであった。
しかし、映画の最後に彼の下した結論。
突然、ローマ法王に選出された男が、
紆余曲折を経て、自身の人生における大切な何かを見つけ、
法王の重責を背負う。
そんなハートフルなコメディ映画かと思っていた。
しかし、違っていた。
一人の人間には限界がある。
無理なことは無理。出来ない事はできない。
だから、彼の決断も尊重すべき...... [続きを読む]
受信: 2014年4月19日 (土) 21時00分
コメント
sakuraiさん、こんばんは!
個人的には本作はわかるんですよね。
望んで社長になったり、立候補して総理大臣になって、投げ出すのはいけないと思います。
でも望んでもいないのに、責任を負わされるというのは、その人にとっては荷が重すぎるのではないかと。
それでも周りがサポートしてくれるのならまだしも、それもない。
そしてそれが自分が「死ぬ」まで逃げられない。
これは自分の人生を、望んでいない役割に捧げるようなものだと思います。
それは人として不幸ではないかと。
誰かのために、その人が不幸になるというのはやはり違うかなと思うのですよね。
投稿: はらやん | 2012年10月 4日 (木) 20時31分
うーん、メルヴィルの場合う、違う畑の仕事というわけではなく、彼が神父と言う道を選んだ時に、一種の覚悟を要したのでは!と思います。
今の多様な道がある社会の中で、神父を選んだのですから、最後の決断じゃ、それまでの自分の人生を全否定しちゃうんじゃないでしょうかね、
休日の後は、だれでもいやでも学校に行く、仕事に行く、そして法王をやり遂げる。そうあってほしかったです。
投稿: sakurai | 2012年10月 1日 (月) 19時28分