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2012年7月 1日 (日)

本 「決起! コロヨシ!!2」

三崎亜記さんの青春小説「コロヨシ!!」の続編です。
1作目のレビューの時にも書きましたが、三崎さんの作品の特徴というのは「日本っぽいのだけれど、根本的に何かが違う日本」という世界を構築して描くことがあげられます。
そういった根本的な違いを、絵空事っぽくせずにその世界として成立しうるほどに設定が考えられているというところが特徴なのですね。
しかし、実は三崎さんの作品ではその根本的な違いがある「日本」を舞台にし、そこで起こる出来事はその違いに基づき丁寧にシミュレートされているのですが、なぜそういった世界ができているのかという根本問題には踏み込まないのですね。
僕はそういうところが三崎さんらしいポイントであると思うのですが、それは人によっては読者に対して不親切だと感じることもあるかもしれません。
彼の作品がそれほど一般受けしない(少なくともベストセラーに入るという感じではない)というのはそういうところにあるかもしれません。
1作目の「コロヨシ!!」は三崎さんのある種のとっつきにくさを青春小説という形をとることにより、ずいぶんと一般的に手に取りやすくしています。
その続編となる本作では、このシリーズで語られる「掃除」とは何なのか、「居留地」「西域」というこの国の隣にある国はどういうところなのか、そもそも主人公たちはどんな運命に操られているのかという、1作目では深く語られなかったことについて書かれています。
そういう意味で本作は「コロヨシ!!」というシリーズの世界観の解説編といったところもあります。
個人的には元々の三崎さんのなぜこういう世界になっているかというところを端折ってしまっているところが、かえってリアリティを生んでいる(現実と違う世界にいるからこそ登場人物の人間性がでてくる)と思っているので、少々親切過ぎるかなとは思いました。
解説を上手くしようとするがために、辻褄合わせだったりご都合主義的な感じもしてしまったからです。
とはいえ、今までの三崎さんの作品に比べては格段に読みやすいのは間違いがありません。
手に取りやすい作品になったかと思います。
従来の三崎亜記ファンがどう反応するかはわからないですけれども。

1作目「コロヨシ!!」の記事はこちら→

「決起! コロヨシ!!2」三崎亜記著 角川書店 ハードカバー ISBN978-4-04-110092-9

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