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2012年7月28日 (土)

本 「マンガの遺伝子」

日本のマンガについての著者の考察を書いた本ではあるのですが、それほど体系だっているわけでもなく、著者が思いついたことについてつらつらと書いている感じです。
こんなマンガもあるよ、あんなマンガもあるよ的な感じもあり、それほど深くもなく、読んでいてなるほどと感心するようなところもあまりありませんでした。
この著者は死ぬほどたくさんの量のマンガを読んでいるのだなぁと思いましたが。
本著の中でマンガについて考察はしていますが、それはマンガの表現の表層を比較し、分類し、時系列に並べているだけな感じもしました。
それはそれで大事なのですが、そこからもっと分析は深く入り込んでほしかった。
作者の思想とか、そのときの時代の流れの影響とか。
どちらかというかマンガ全体を捉えようとしたあまり、作品の分析はそれほど深く入るわけではなく、表面をさらっと撫でただけな印象です。
ですのでマンガ史全体の分析としてももの足りないし、キーとなる作品の分析としてももの足りないというどっちつかずの本になっている気がします。

「マンガの遺伝子」斎藤宣彦著 講談社 新書 ISBN978-4-06-288137-1

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