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2012年7月16日 (月)

「ラム・ダイアリー」 酔いどれ日記

ジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンの原作を、親友であったジョニー・デップが製作・主演で映画化した作品です。
ニューヨークからプエルトリコにやってきたポール・ケンプ(ジョニー・デップ)は地元新聞で記者として働き始めます。
しかし、周りの記者を始めケンプも、日中から酒を呑み、ずっと酩酊状態でグダグダな感じ。
プエルトリコには北米から観光客も多数訪れますが、彼らはホテルから一歩も出ず、ボーリングやカジノ、買いものに明け暮れるように過ごします。
そういった観光客に対し、地元民は貧しい暮らしを余儀なくされ、巷には不穏なエネルギーが蓄積している感じがします。
またプエルトリコで事業を営むサンダーソンや軍の関係者、銀行などは新しいホテルの開発を計画し、そこでは詐欺まがいのことを行われているようです。
ホテルの開発は、地元に益をもたらすわけにしているわけではなく、彼らの欲を満たすために行われています。
そのような中、ケンプはサンダーソンと知り合い、ホテルの開発を記事等の側面射撃で援護するよう依頼されます。
そこでケンプはサンダーソンの愛人、シュノーに出会い、一目惚れをしてしまいます。
予告を観た感じだと、酒浸りのダメダメなジャーナリストが悪徳実業家に一矢報いたり、敵方の愛人との危険な恋みたいなところが、ポイントになる映画かと思いました。
しかし、観てみると、そのあたりは確かに描かれてはいるんですが、カタルシスに至るような感じがあまりありません。
ケンプや仲間の記者が昼間っから呑んでグダグダしているように、映画自体もなんかグダグダ感がありましたね。
ケンプはシュノーとの恋をきっかけに、彼女を救い出そうとしたり、正義に目覚めたりするかと思いきや、けっこう最後の最後まで行動を起こすわけではありません。
最後までいって自分が勤める新聞社の経営者がトンズラこいたときに至って、腰を上げるという感じ。
結局は彼が書いた記事は世に出ることもなく、そのため実業家たちはおそらく別段何か変わることなく、あのままホテルを作ったであろうし、恋愛についても最後のテロップでケンプとシュノーは結ばれた旨は書かれますが、そこにカタルシスがあるわけでもありません。
この最後まで高揚感のない感じなのは、狙ったものなのかどうか・・・。
狙ったものというのであれば、プエルトリコという熱帯の地域で、いくら正義といった熱い思いを持ったとしても、現地の湿気を含んだ重苦しい空気といっしょで、よどんでいて何も変わらないということが伝えたかったのかしらんとも思ったりして。
でもそういうわけではなく、結果的にグダグダになってしまったのだろうなと。
そういう意味で、映画のタイトルとおり、酔いどれ日記な感じの作品だと感じた次第です。

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コメント

おはようございます。いつもtBありがとう。

投稿: mig | 2012年7月25日 (水) 08時08分

みすずさん、こんばんは!

ジョニーファンは堪能できますよね、久しぶりの素面ですものね〜。
ジョニー・デップは好きだけど女性ファンのそれではないので、映画がグダグダだとちょっと観ていて苦しかったです。
途中からシュノー目当てで観てました。

投稿: はらやん | 2012年7月24日 (火) 22時21分

おはようございます♪

おっしゃる通りぐだぐだでしたね^^;
淡々と話が進むし、ラストのオチもあれ?って感じで・・・
でも、ファンとしては素顔のかっこいいジョニーが見れたから、いいかな~って^^
ファンじゃないと、絶対楽しめない映画だと思うわぁ。
そういうわたしも前半寝てたけど^^;

投稿: みすず | 2012年7月24日 (火) 09時50分

ひろちゃんさん、こんばんは!

そうですね〜、ほんとにグダグダな感じでした・・・。
「ラスベガスをやっつけろ」は観ていないんですが、そんな感じですか〜。
僕はシュノーの美女っぷりで最後までなんとか観ることができました(爆)。

投稿: はらやん | 2012年7月22日 (日) 20時12分

はらやんさん、こんにちは^^
もうタイトル通り、ラムダイアリー、ラム酒飲んでグタグタ~って言う内容でしたね(汗)

ハンタートンプソンの自伝的小説は、「ラスベガスをやっつけろ」を観ていますが、私にとっては、それも???な内容の映画でしたので、今回もストーリー、内容には、ま~ったく期待はしていませんでした(笑)

ジョニーファンだから、ジョニーの映画を観に行ったという事なので、そこんところは、ジョニーのいろいろな表情が観れて満足しています^^

>この最後まで高揚感のない感じなのは、狙ったものなのかどうか・

狙ったというよりは、ハンタートンプソンの小説が
そういうものであったような気がします(汗)

プエルトリコの海や風景がなかったら、もっと悲惨な映画だったかもしれませんね(苦笑)

投稿: ひろちゃん | 2012年7月20日 (金) 14時44分

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