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2012年5月12日 (土)

本 「三匹のおっさん ふたたび」

有川浩さん「三匹のおっさん」の続編です。
こちらの作品は好きだったので、シリーズ化は歓迎です。
前作は三匹のおっさんこと、ご近所限定の見回りをやっている清一、重雄、則夫と、清一の孫の祐希、則夫の娘早苗が中心の物語でしたが、今回は前回に登場したサブキャラクターが中心となるエピソードがいくつかありました。
清一の義理の娘であり、祐希の母である貴子を主人公にしたエピソードは意外ではありましたが、有川さん的にはやってみたかったとのことです。
いいお話に仕上がっています。
本作でところどころ触れられていることについて、僕も個人的に思っていたことがあり、「やはりそうだよね」と思うことがありました。
前作や本作でも、礼儀や社会のルールを守れない若者に対して三匹たちが、指導するというエピソードがいくつかあります。
「最近の若者は・・・」というのは常套句で、確かに若者の中にはこういう社会性のない人がいるのは確かです。
ただそれが若者だけかというと、最近はそうでもない。
僕も「最近の年寄りは・・・」と言いたくなるようなことが何度もありました。
例えば込んでいる電車で、シートに座っている老人が荷物を脇のシートに載せたままで平然としていたりすることを何度も見ました。
荷物は抱えるなり、網棚に上げるなりすればいいわけです。
また込んでいる車内にでかいリュックを背負ったまま入ってくる、並んでいる列を無視して割り込んでくる。
若者であれば注意すればいいのですが、年寄りについては注意するのも憚られます。
年寄りだから優先されるのは当然の権利と思っているのでしょうか。
有川さんもそのあたりは気になっているようで、本作では若者だけでなく、大人、年寄りのマナーの悪さについても一刀両断しております。
子供の頃、「自分がやられたらイヤなことはするな」と教わりましたが、こういう意識にない人が世代を問わずに増えてきているように思います。
「最近の若者は・・・」と言う前に、まずは自分の振る舞いが大丈夫かと胸に手をあてることが大人には必要かもしれないですね。

前作「三匹のおっさん」のレビューはこちら→

「三匹のおっさん ふたたび」有川浩著 文藝春秋 ハードカバー ISBN978-4-16-381260-1

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コメント

たいむさん、こんにちは!

そうなんですよね〜。
時々目を疑うような困ったちゃんがいて驚きます。

有川さんのシリーズ作品はこのところ、三部作が多いから、こちらのシリーズも次があるような気がしますよね。
ノリさんの再婚話あたりがありそうじゃないですか〜?

投稿: はらやん | 2012年5月27日 (日) 16時53分

>「最近の年寄りは・・・」
年長だからってすべてにおいて尊敬できるかってそうでもないし、過去の栄光とプライドで生きている人こそ困ったちゃんだったりもして、見極めが難しいですよね。

「3匹・・」のシリーズは、世代を超えて言いたい事が言えるという設定がすごく良いと思います。
各話のテーマも身近で、「みたび」登場してもらいたいものです、3匹にはw

投稿: たいむ | 2012年5月24日 (木) 21時59分

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