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2012年5月 6日 (日)

本 「シャーロック・ホームズの事件簿」

コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズの最後の作品になります。
12の短編が収録されている短編集になります。
個人的にもこれでシャーロック・ホームズシリーズは完読ということになります。
学生の頃から少しずつ読んでいるので、20年以上かかってやっと(苦笑)。
久しぶりに読んで思ったのは、今現在読んでも、十分に読むのに耐えられるということですね。
推理小説やSF小説というのは、そこで語られる内容(推理小説であるとトリックとかSF小説では科学考証とか)が進化していて、あとで読むと古くさく感じたりすることもあるのですけれども。
確かに今読むと、古くさいところもなくはないのですけれど読めたものではないということではありません。
さすがにその後の探偵小説の大本になっているシリーズだけあって、トリックは古くさくなってもプロットは古びないのかもしれません。
久しぶりにこのシリーズを手に取ったのは、ガイ・リッチー監督の映画「シャーロック・ホームズ」シリーズを観たからです。
そこでは新しいホームズ&ワトソン像が描かれているわけですが、元々の小説を読んでみると、そのキャラクター造詣はそれほど突飛でもないことがわかります。
本作でもホームズは格闘技ができると本人は言っていたりしますし、ワトソンも元軍人(軍医)だけあって拳銃を持ってホームズを警護したりしてました。
このあたりのワトソンの描写はガイ・リッチーの「シャーロック・ホームズ」で描かれる射撃の名手のワトソン像に繋がるかもしれません。
また本作中ではホームズがワトソンのことをかなり評価しているということを窺わせる描写がいくつもありました。
ワトソン自身は自分のことを過小評価しているようですが、ホームズはワトソンならではのものの見方を自分の推理に役立てているということがわかります。
彼がいないとダメという感じがホームズにはあり、それも映画の「シャーロック・ホームズ」のホームズのワトソンへの強い友情(一部では愛情という説もあるが)の発想に繋がったのかもしれないと思ったりしました。
そういう点で、ガイ・リッチー版の「シャーロック・ホームズ」はそれほど突飛なものではないなと感じました。
挿絵や幾多の映像化された作品のイメージにとらわれずに、オリジナルを新で読むと、そういう風にも解釈できるということなのかもしれないですね。

「シャーロック・ホームズの事件簿」コナン・ドイル著 東京創元社 文庫 ISBN4-488-10109-7

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