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2012年4月30日 (月)

本 「夜は短し歩けよ乙女」

「四畳半神話体系」等の森見登美彦さんの作品です。
森見さんは京都大学出身の作家さんですが、「鴨川ホルモー」の万城目学さんも京都大学出身ですよね。
このお二人の作品、読んでるとちょっと似たようなニオイを感じたりするのですよね。
ちょっと浮世離れした京大生の描写とか、ちょっと古典的な印象のある文体、日常と非日常がまじったような感じ(「四畳半神話体系」のときのレビューでは「ビューティフル・ドリーマー」的と書きましたが)が、なんか共通しているような感じがします。
そういえば、本作でも学園祭のエピソードがでてきますが、これもよく考えれば「ビューティフル・ドリーマー」的ですね。
これは京大、もしくは京都という土地がらがもっているものなのでしょうかね。
歴史が長く古い街なので、実は非日常的な物事の片鱗というのが言い伝えなどであるからかもしれません。
お二人の生年月日を見ると3歳差なので同じキャンパスですれ違っていたかもしれませんね。
本作「夜は短し歩けよ乙女」も森見さんらしい作品と言えます。
日常的な場面を描いているかと思うと、実は非日常的というか。
というより非日常的な出来事を、日常的に描写しているっていうのが正しいかもしれません。
本作では京都の学生の非日常的な日常を描いているのですが、その芯はラブストーリーです。
主人公は京大の男の学生(作品中では名前はでてこない)。
これまた万城目学さんの作品と共通しているところなのですが、どうも京大の学生というのは、ダサい、弁はたつけどやや鬱陶しい、恋愛ベタというのがスタンダードなイメージなんですかね。
ちょっとこの冴えない感じの青年が、日々悶々と外堀を埋める作業(好きな女の子にお近づきになるための準備)をしているというのは、同じく恋愛ベタな自分としては十分に共通するところであったりして共感しちゃいます。
このあたりのダサさ加減は東京のスマートな学生にはないようなところですね。
だからこそ共感できたりするわけです。
ラブストーリーとしてもハッピーエンドに終わるので、読後感も非常によろしい。
いい気分で読み終えられます。
文庫版のあとがきは漫画家の羽海野チカさん(「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」等)がイラスト付きで描いています。
このキャラクターのイラストが、またイメージにぴったり。
羽海野さんの画にあっているなぁ、本作は。
この画でアニメ化してほしいくらい。
解説では羽海野さんが、気に入ったセリフを書き出してますが、これがまた羽海野さんぽくもあるなぁと共いました。
是非アニメ化を。

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦著 角川書店 文庫 ISBN978-4-04-387802-4

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コメント

はまかぜさん、こんばんは!

>偉そうな感じの独特な語り口調の人
確かにその通りですよね。
これ、万城目さんの作品も同じようなにおいを感じるのですが、京都という土地柄なのでしょうか?
東京都も大阪とも違うテイストが京都はありますよね。

投稿: はらやん | 2013年2月14日 (木) 22時00分

こんばんは!
この作品は私も以前読んだことがありました。
森見登美彦さんの作品はほんと、日常と非日常が入り混じった不思議な感じになっていますよね。
本作は主人公の「外堀を埋める作業」とかを偉そうな口ぶりで語る様子が面白かったです。
基本森見さんの作品の主人公は偉そうな感じの独特な語り口調の人が多いですが(笑)
個人的には京都が舞台というのも良いなと思っています♪

投稿: はまかぜ | 2013年2月13日 (水) 19時33分

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