「逃亡者 おりん 最終章」 テレビ時代劇の遺伝子をつなぐ
2006年に放映されていた時代劇「逃亡者 おりん」のスペシャル版で、そのシリーズの物語のすべての決着がつく物語となっています。
テレビのシリーズの時代劇は「水戸黄門」が終了してしまった今となっては他ではなくなってしまっています(こちらのシリーズ「逃亡者 おりん2」が現在放送中のみ)。
僕が子供の頃を思い出すといくつもの時代劇が放映されており、また再放送などもけっこうやっていたので親しんでいたのですが、気がつけばもうほとんど放映されることがなくなりました。
テレビの時代劇というのはずっとあるフォーマットがしっかりできており、それがいいという人が多かったと思いますが、もうそういう変化のない調子というのは受け入れられなくなっているのかもしれません。
とはいえ映画では時代劇というのは今までと同様に作られていて、というより最近は時代劇でも意欲的な作品、また人間が描かれている作品が多く、観ていても見応えあります。
テレビの時代劇はフォーマットに沿っていなくてはいけないという考えを改めれば、新しい時代劇というのはできるとは思うのですけれどね。
そんな状況の中、キー局の中で唯一現在放送されているテレビ時代劇が「逃亡者 おりん2」です。
「最終章」は1作目を総括し、そして2作目に続くリングような役割を持っています。
こちらでは1作目に登場したキャラクター(死んだと思っていた者まで含め)が多く登場します。
それでもっておりん以外のそのほとんどが死んでしまう・・・。
1のしがらみを持って2に続くのはやりにくということなのでしょうけれどね。
ま、ある意味、潔い感じはしました。
この作品は1作目のときのレビューでも書きましたが、物語自体はテレビ時代劇の王道中の王道で、ベタと言えばベタ。
このあたりは今までのテレビ時代劇にも馴染んでいた世代にも受け入れられやすいのかもしれません。
なぜか主人公のくノ一の忍者服はレオタード風であったりという、ウケやすくわかりやすい仕掛けもしながらという展開は1作目そのままでした。
まだ2作目は観ていないのですが、そこの基本フォーマットから外れることはないのでしょうね。
古き良き時代劇の遺伝子を繋いでいるということでしょうか。
この路線でテレビ時代劇が復活するとはなかなか思いませんが、こういうのもありでしょう。
とりあえずはテレビ時代劇に火を絶やさないという点で、がんばってほしいものです。
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