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2011年12月 8日 (木)

本 「サヴァイヴ」

自転車ロードレースを題材にした「サクリファイス」「エデン」に続く、近藤史恵さんのシリーズの3作目になります。
3作目といっても、続編ではなく「サクリファイス」「エデン」の登場人物の前日譚、後日談、サイドストーリーを集めた連作集になっています。
ですので前作2作を読んでいなくても、問題なく読めるかと思います。
近藤史恵さんの文章は読みやすいですし。
しかし、面白さでいうとやはり「サクリファイス」のほうが面白かったかな・・・。
自転車ロードレースという題材だからか、登場人物のキャラクターはストイックなタイプが多いので、短編になったときのいわゆるキャラ立ちのようなものはないので、ややもの足りなさを感じます。
ロードレースは個人競技ではなく、チーム競技です。
<エース>を勝たせるためにチームの他のメンバーは<アシスト>としてフォローをします。
<アシスト>は<エース>の風よけになったり、時には自分がリタイアになってもバイクの部品を<エース>に提供し勝たせようとします。
しかしそこにはやはり<エース>は<エース>としての孤独やプレッシャーがあり、<アシスト>には妬みや確執、または<エース>に想いを預けるというようなことがあり、そこがドラマになります。
本作ではロードレースの選手のそれぞれ立場の違う登場人物の想いが描かれています。
それは描かれているのですが、やはりそういう想いに加えミステリーの要素を縦糸として持つ「サクリファイス」の方がやはり面白い。
連作集であるためそのような縦糸の部分がないので、登場人物のストイックさというのもあり、やや全体的に地味めで、疾走感がないというのはありました。
短編だとこのシリーズの魅力を出すのは、なかなか難しいのかもしれません。

「サクリファイス」の記事はこちら→
「エデン」の記事はこちら→

「サヴァイヴ」近藤史恵著 新潮社 ハードカバー ISBN978-4-10-3-5253-1

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